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1997性教育の課題 ③性教育を取り巻く状況(高校生の性行動)

1997年8月 1日

 実際の高校生の性行動はどのようになっているのだろうか。1993年の東京都幼・小・中・高性教育研究会が調べた報告書がある2)。高校生についてのアンケート調査をみると,「特定の異性との交際」という項目で,1984年,1987年, 1990年,1993年の4回の調査結果が,中学校1年生から高校3年生まで学年ごとにグラフで示してある。
 この結果を世代的な変化という視点でみると,高校3年男子で特定の異性と交際している割合は,1984年度35.5%, 1987年度29.7%,1990年度23.1%,1993年度17.3%と減少している。同じく高校3年女子をみると,この十年間であまり変化なく, 1984年度32.0%,1987年度32.2%,1990年度31.2%,1993年度30.8%となっている。1993年のデータで各学年毎で男女の比較をすると,女子の数値が男子の数値の倍前後を示している。この報告の考察では「このような現象は男女の平等意識の高まりから女子が活発になり,男女交際に対しても積極的になってきたためと考えられる」と記述されている。
 また,「性交経験」は,高校3年男子で,1984年22.0%,1993年27.1%。高校3年女子で,1984年 12.2%,1993年22.3%となっている。性交経験率は男女とも増加しているが,その原因は性について開放的になってきた社会の影響であると考えられる。テレビなどのメディアは年齢差を区別することなく,子どもにも大人にも同じ情報を提供し,また,都市であろうと,地方であろうと同時的に供給するので,性に開放的になっている状況は,都市だけに限られたことではない。
 また,当然のことだが,男女ともに,性交を含むキスなどの性的な行為を体験する割合は,学年がすすむにつれて増加している。このような状況の中では,従来のように,性を「寝た子を起こすな」式に隠すように扱ったり,梅毒などの症例で「怖がらせて禁止する」ような否定的・抑圧的な指導はなされるべきではない。今の時代は,「性とどのように関わっていくのか」,また「どのような性行動を選択するのか」を,生徒自身が自分で考え決定することができるよう,適切な材料を与えていくことが必要になってきている。

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