動物倫理は、基本的に人間に対する行為の倫理的是非について検討することを念頭においていますが、動物を倫理的な配慮の対象にするので、動物に対する人間の行為や制度の是非が問われます。
幸不幸の最も基本的な判断基準は快楽と苦痛で、動物の苦痛を避けるように配慮する必要があるということです。人間が自らの利益のために、一方的に動物に苦痛を与えてはならないというのは当然で、動物を殺して食べる、毛皮にする、狭い檻に閉じ込めて観賞することで利益が得られるからといって、動物の権利を侵害していることに鈍感であってはなりません。また、動物にいたずらに苦痛を与えることは道徳的にも間違った行為で、不当な行為を最小限にくいとめる必要があります。