私たち人間は多くの動物と共に生活しています。犬や猫などの伴侶動物は、人間の生活圏で生き、人間と密接な関係を築いています。また、豚や牛や鶏といった畜産動物や実験動物は、生きた姿を目にする機会は少なくても、食料や薬の製造、科学技術の開発などに利用される形で、人間の日常の生活に関わっています。
動物を単なる「道具」・「手段」・「物」として人間の都合で好き勝手に利用してきたかつての時代がありましたが、その頃は動物が苦しんでいても気にすることなく、個々の動物が自身の生を生き、苦しんだり喜んだり、何かを怖がったり期待したりしているという当たり前のことが理解されていませんでした。
今日の社会では、これまでの動物の扱いを反省し、改善していこうという方向に進んでいます。ペットである犬や猫の殺処分については、動物愛護団体だけでなく、自治体職員や、動物に関心をもつ個々人から疑問の声が上がって、殺処分を減らす方向で方策がとられるようになりました。
社会的に動物を生命倫理的にどのように扱うのか(動物倫理)が問われており、動物を利用するための共通理解のための生命倫理規定が必要になっています。それは、学校で教育活動に利用する動物についても同じ状況で、本学園でも実施する中学校・高等学校の理科教育や課外の科学研究での動物の扱いにおいて、倫理的に配慮をして教育活動を支障なく進めることができるように大学・研究機関に準じた規定(学校法人山脇学園動物実験規程)を作成しました。