文部科学省が科学技術系人財の育成の教育プログラム開発をおこなう学校を支援する事業(SSH)事業を2002年から始め、生徒の科学研究が推進され、その成果を受けて、2017年の新学習指導要領で、「理数探究基礎」と「理数探究」が新設されました。目標は、「数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして、課題を解決するために必要な資質・能力を育成すること」になっています。それゆえ、科学研究に関連する実験の機会が増えています。これまで実験は担当教員に任され、動物の解剖や飼育についても深く検討されることなく実施されてきました。両生類や魚類については国内ではペットに該当せず、動物実験の実施について是非を確認する必要はありませんでしたが、国際的な科学研究発表会(ISEF)への参加する場合は、SRC条件を満たすか必要があるということで、あらためて動物実験についての規定が中等教育学校でも必要になってきたと判断した経緯があります。
本校でも、将来生命科学分野で活躍する可能性のある生徒の将来につながる教育を提供するために、中等教育学校における動物実験全般についても規程に則った実験ができる環境を整備する必要があると判断しました。そして、大学などの研究機関の規定や日本実験動物学会の指針などを参考に動物実験規程を定めることにしました。
高校における動物実験規程の導入は、現段階では事例は少ないですが、実際の授業や研究活動の実践を想定して、学識経験者や獣医師の助言を受けながら、中等教育学校に現段階で最も相応しい規程を作成しました。