コロナで久しく来賓を迎えての卒業式がなされていなかったが、久しぶりに通常のからちで行われた。
「サンタユリア導き給え」の聖歌で始まり、延々と一人一人に卒業証書を手渡す授与形式も維持され、「祝歌」で在校生と卒業生が歌で挨拶を交わした。
送辞、答辞、そして校歌斉唱後、オーケストラの演奏に送られて、会場を卒業生は退場した。
卒業全体の進行の流れは着任した40年前のスタイルを維持している。時間をもっともかけているのは卒業証書授与で「一人一人に卒業証書を渡したい」としたのは、高木貞子が校長の時代だった。それまでは、卒業生代表に一括して渡して、教室にもどってからクラス担任が渡していた。高木校長の時代に、私は生徒会の顧問として生徒会会則の全面改訂に取り組み、生徒指導規則改正の検討、文化祭の外部への公開の企画・運営に携わり、生徒たちと奔走していた。私の教員としての基礎的な姿勢を培っていた時期であった。
時は流れ、今では思い出話にしかならない。たぶん、私が出席するのも今年が最後になると考えている。老兵は死なず、消え去るのみ。