【箱根駅伝の結果を受けた記事から抜粋】
5時間18分14秒の往路新記録を叩き出した青学大の勢いは復路でも止まらなかった。2位の駒澤大との差を徐々に引き離す圧巻の強さで快走。最後まで首位を譲らず、2年ぶりに東京・大手町に1番で戻ってきた。原監督も「勝つつもりはあったけど、勝てるつもりはなかった。驚きました」
歓喜の胴上げから2日後の5日、56歳の名将は自身の公式X(旧ツイッター)を更新。「私が考える組織運営に必要な三箇条」と題し、次の三本柱を明記した。
① 常に本質を追求する事
② ゴールからの逆算思考
③ リーダーの覚悟
「表現力豊かで、勉強もしっかり取り組める心根のいい選手」を採るという青学陸上競技部のスカウトの基準を確立できた。高校生の頃は少々タイムが悪くても、自分でちゃんと考えてコツコツと練習に取り組み、自分の言葉を大切にする子のほうが、大学4年間で圧倒的に伸びる。
心根の悪いスーパーエースがいなくても、心根が良く真面目に練習に取り組む選手が少しずつタイムを縮めれば、合計タイムを短縮できる。例えばエースが抜けて10秒遅くなったとしても、10区あるなら、それぞれの区で1秒ずつタイムを縮めていけば、10秒のロスはカバーできる。
組織力やチーム力を押し上げていくのは、「コツコツと努力できる心根の良い人間」だと私は強く信じている。
寮母として支えてきた美穂さん。就任当初を振り返り「速い子を入れただけでは強くなれなくて、毎日、毎日、つらいことを頑張り続けることによって、速い子が強くなっていくと思うんですよ」と証言した。
私は、生徒の科学研究の指導に取り組んできましたが、生徒には「誠実なこと、コツコツと粘りずよく努力できること、快く協力できること、前向きなこと」が重要だとかんがえています。いくら偏差値が高くて能力があっても、心根の悪い生徒がいる(生徒はすべて可能性があり、認めなければならなければならないと言われるかもしれませんが、努力をしないで、妬みと嫉妬、沽券、支配欲などで他の生徒の可能性を潰すような性格の生徒がいるのも事実だと感じています。)と研究室の雰囲気が壊れます。
青山学院の「表現力が豊かで、勉強もしっかり取り組める心根のいい選手」でチームを構成することを大切にする姿勢と通じるとても大切なことだと考えます。私は科学研究という分野であっても、個人的に優秀であればいいとは思いません。
大学の研究室でも、京都大学の岡田節人先生の研究室から阿形清和先生(元生物学研究所所長)などの社会貢献でも認められるような多くの研究者を輩出していますし、その研究室で育った阿形先生も次の世代の優秀な研究者を多く育てられています。
阿形先生には、私が昨年9月19日に立ち上げた高校生の科学研究を推進する「山脇有尾類研究所」の設立にも協力していただきました。「表現力が豊かで、勉強もしっかり取り組める心根のいい研究者の卵」を大切に育てたいと思います。