日本に生息する有尾類(有尾目)は、サンショウウオ科、オオサンショウウオ科、イモリ科の3科からなる
最も有名なのはオオサンショウウオ科のオオサンショウウオで、天然記念物になっている。現存する両生類の中では世界最大で、日本固有種であるある。イモリ科2種も日本固有種である。日本での有尾類で圧倒的に多いのはサンショウウオ科の仲間で、現在44種が知られ、日本の有尾類の大半を占めている。サンショウウオ科の内訳は、キタサンショウウオ属1 種、サンショウウオ属37種、ハコネサンショウウオ属(Onychodactylus )6 種、である。国外に分布しているのはキタサンショウウオ属のキタサンショウウオだけである。
近年、有尾類では、新たな種が記載がされたり、一度は記載されながら一度は既知種とされたものが再び独立種とされたりしている。新たな種は、サンショウウオ属で多く、2014年に3種、2018年1種、2019年に12種が新たに記載されている。また、ハコネサンショウウオ属でも、2012年に1種、2013年に2種、2014年2種が記載されている。
有尾目Caudata
サンショウウオ科 HynobiidaeCope, 1860
キタサンショウウオ属 Salamandrella Dybowski, 1870
サンショウウオ属 Hynobius Tschudi, 1838
ハコネサンショウウオ属 Onychodactylus Tschudi, 1838
オオサンショウウオ科 Cryptobranchidae Fitzinger, 1826
オオサンショウウオ属 Andrias Tschudi, 1837
イモリ科 Salamandridae Goldfuss, 1820
イボイモリ属 Echinotriton Nussbaum et Brodie, 1982
イボイモリ Echinotriton andersoni(Boulenger, 1892)
イモリ属 Cynops Tschudi, 1838
アカハライモリ Cynops pyrrhogaster(Boie, 1826)
シリケンイモリ Cynops ensicauda(Hallowell, 1861)
アマミシリケンイモリ Cynops ensicauda ensicauda(Hallowell, 1861)
オキナワシリケンイモリ Cynops ensicauda popei(Inger, 1947)
※日本爬虫両棲類学会 (2021) 日本産爬虫両生類標準和名リスト(2021年4月22日版)より
日本のCynops(イモリ)属の仲間
日本に生息する有尾類は、サンショウウオ科、オオサンショウウオ科(天然記念物のオオサンショウウオのみ)、イモリ科の3科にわけることができる。イモリ科で最もよく知られているのはイモリ属のアカハライモリで、その他に同属のシリケンイモリと別属のイボイモリが南西諸島に分布している。シリケンイモリは、奄美大島に生息するシリケンイモリを基亜種として、アマミシリケンイモリとオキナワシリケンイモリの2亜種に分類されている。
アカハライモリとシリケンイモリは、両種ともに環境省レッドリスト2019で「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によって絶滅危惧に移行する要素を有する」という準絶滅危惧(NT)に、イボイモリは、「近い将来、野生での絶滅の危険性が高いものになる」という絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。また、イボイモリは、2016年に国内希少野生動植物種に指定され、卵も含め捕獲・譲渡などが原則禁止され、沖縄県(1978)、鹿児島県(2003)でも県の天然記念物の指定も受けている。