知識というのは、お金でいうと「持ち合わせ」のことである。今、ポケットに入っている金額が、その人の知識だ。すぐに出せるし、その場で使うことができる。人に奢ることができるのは、持ち合わせがあるときだ。
教養というのは、お金でいうと、「資産」に近い意味になる。いつも持って歩いているわけではないし、また現金ではない別の形態になっている場合もある。だから、その場ですぐに使えるものではない。
しかし、資産はその大がどのような生き方をするかを決めるし、なにか大きな決断をするときに影響するだろう。資産のある人は、より多くの可能性を持っていて、自由な選択ができる。また、余裕を持った生き方ができるから、多くの方面に多くの方面に興味を持ち、他者に対しても優しくなれるだろう。
森博嗣『勉強の価値』p192-193(幻冬舎新書)より抜粋
人の脳の優れているのは、知識と知識をネットワークで結び、一定の法則性をみにつければ、他にも応用できることだと思う。それに、経験を加味していって、いろいろな場面で対応できるようにできるのが凄い。