新たな教育システムの構築
改革の第一歩は、「生命科学コース」の開設であった。当時は全国的に薬学部新設が続いた頃で、女子生徒の医療分野への進学が加速していることを追い風にして、女子生徒の理系進学支援をコンセプトに、まずは生命科学分野からということで、「生命科学コース」が誕生した。そして、従来のシステムから発展させたコースを「文理コース」とした。次の図は2015年度の教育内容を示したものである。
教育内容を『知識』、『体験』、『研究』の三つの構成に分け、『知識』と『体験』で身につけたものを最終的に『研究』に集約するという形でカリキュラムを構成している。そして、①ロールモデルの提示、②国際性の育成、③直接体験の重視、④リーダーシップの育成の四つを盛り込んだ科目を導入した。
『知識』では、課題研究に必要な知識や技術を得るための科目として「生命科学基礎」、「生命」、「実践英語」を設定した。
『体験』では、多様な自然体験ができるように「自然探究Ⅰ」(鳥取大学教育研究林「蒜山の森」での森林実習)、「自然探究Ⅱ」(琉球大学熱帯生態圏研究センター瀬底施設と座間味島での講義・実習)、自然探究A(マレー半島にあるツン・フセイン・オン・マレーシア大学、ボルネオ島にあるマレーシア・サバ大学と連携した環境学習プログラム)を設定した。
『研究』では、研究課題別にグループに分けて取り組む科目として「課題研究」を設定した。