南九州大学の教職関連の科目の講義に取り組んでいる。「取り組んでいる」というのは、この4月から自分の担当科目として「中等教科教育法・理科Ⅰ」・「中等教科教育法・理科Ⅱ」・「生物学実験」が始まったからだ。これまで35年間中高一貫校に勤め、公開授業など担当したことはあるが、教員免許取得を目指す大学生に教えるのは初めてで、シラバスを作成するときに、一年間をどのような内容で構成するかをなかなか決めることができなかった。
まずは、「理科教育法」関連の本を図書館で読みあさって、新刊で全体的な内容を網羅して扱っている「教師教育講座第15巻・中等理科教育」を教科書にした。冒頭のはしがきで「本書は、主として、これから理科教師を目指そうとしている人、中学校や高等学校の初任の理科の先生を対象に書かれています。その他に、熟達した理科の先生にとっても、新しい考え方を得ることや教えることと学ぶことの意味や意義を省察することが可能なように書かれています」とあるが、実際にこの本を使って学生と一緒に学んでみて、この本には記載されていないが捕捉したいような内容も頭に描くことができるので助かっている。
今は、この教科書と並行して、発達段階を考慮した教育を考えてもらうために、ルソーの「エミール」も教材にしている。