脊椎動物の脳は胚発生期につくられ、その過程で脳の形成に関わる遺伝子が働いている。したがって、まず、様々な動物の脳形成過程を観察し、種間で保存されている特徴と種間でことなる特徴を見出してから、脳の形成にかかわる遺伝子の発現パターンを比較し、その情報を解析することによって、脳の進化過程を推測するという手法で研究してきた。
これまでの研究で、脊椎動物の脳の各領域並びに終脳(バリウムとサブバリウム)の形成に関わる分子機構が脊椎動物の共通祖先の段階(約5億年前)に確立されていることをつきとめられている。