今年度の新たな教育プログラムとして『SSH中国杭州ICH8海外研修』を実施することにした。事業の目的は以下の通り、実施時期は、8月中旬。
【目的】
第3期の事業題目は「グローバル社会で活躍する女性研究者育成の教育プログラムの開発」としている。そして、本校の教育プログラムは、①女子生徒の理系進学支援、②大学進学後に必要な学力の養成を目指しているが、その教育プログラムの中心が科学課題研究である。日常的に科学課題研究に取り組み、基礎的な知識や技術を身につけていくが、いろいろな意味で最も生徒を成長させるのは、研究成果をまとめ発表する過程である。成果を発表する機会は、各学校での成果発表会、高校生対象の発表会、各学会のポスター発表などがあるが、最も敷居が高いのが国際大会での英語による発表であり、設定したハードルが高いほど、成長の幅も大きいと考えている。本校SSH事業では、世界を視野に入れたグローバル教育プログラムの一環として、2015年度から1年に1回選抜した生徒を国際学会に派遣することにしている。
本研修では、生徒が発表に挑戦する場として、The World Congress of Herpetology(ICH8)を設定した。ICH8は、4年に一度開催される国際学会で、両生爬虫類を研究対象とした専門家が集まる学会である。今回の会場が近隣の国(中華人民共和国の杭州)になっているので、経済的な負担も少なく行きやすいので、SSH指定当初から取り組んできたオオイタサンショウウオとミシシッピアカミミガメの課題研究の成果を発表することを考えている。内容は、希少野生動物の保護と帰化種の生態の解明であり、ともに環境保全に関する内容であり国際的に見ても興味をもっていただける内容になっていると思う。日本での環境保全に関わる基礎研究の成果を広く世界に発信する機会にしたい。
国内の発表では、研究への動機付けと研究内容のレベルアップを目的にしてきたが、国際学会で英語で発表することを通して、いろいろな国の研究者との交流による国際性の育成と英語プレゼンテーション力の向上が期待できると考えている。英語での発表については、本校で英語ディベートを取り入れた授業の成果を試す機会にもなると考えている。