2006年度から生命科学コース1クラスを立ち上げることが決まって、最初に考えたことは、本校を巣立って生命科学分野に進学した卒業生に「生命科学分野に進学を考えている生徒へのメッセージ」をもらい、冊子を作成することにしました。最初の入学生を迎えるちょうど1年前の2005年春の完成を目指して原稿の依頼を始めました。その冊子の企画案がデザイン会社へのメール(2005年2月8日)に残っていました。それは「今回のパンフレットは、先輩からのメッセージ(生命科学分野を後輩に紹介)という冊子として完成させます。その内容は、①表紙(環境教育とバイオテクノロジーを意識させるメッセージ性を持ったもの」)②卒業生のメッセージ(生命科学関連の学部・大学院・会社員、生命科学へ進んだが家庭に入った人)、③本校の生命科学分野の授業(発展科目生命の講師、西表島の環境教育への協力者)からのメッセージ、④女子生徒の理系進学を考える資料」というものでした。
卒業生に協力依頼のメールには「(抜粋)"清心"のイメージとしては、文系の学校というイメージが強く、これまで理系に進む生徒に十分なケアができていなかったのではないかという反省から、学校としても理系進学者をサポートするような体制をつくることをすすめていかなければならないと考えたのです。あなた方"先輩"の写真と文章を集めて、大学生、院生、社会人の順に並べて、ライフステージを踏まえてパンフレットに編集しようと思っています」という内容で入学してくる後輩を応援して欲しいというものでした。デザイン会社の方からは、「こんな字ばっかりの冊子を読む人がいるんですか」と言われましたが、32人の卒業生のメッセージを掲載した一風変わった冊子を完成させることができました。表題は「大切なもの」にしました。そして、その表紙は、当初した企画した「バイオテクノロジー」を意識させるものではなく、自分自身が2年間担任した生徒の「目」をデザインしたものにしました。この表題とデザインは、この「女子生徒による科学研究交流会」の冊子に受け継がれています。