本校のスーパーサイエンス事業の始まりは、普通科の中に入学時点から「生命科学コース」を1クラス開設すると決めたのが出発です。
当時、岡山県内の私学では校名変更・共学化、公立では11年度からの学区制の変更に先立っての教育課程変更などを含む「特色づくり」が話題になり、マスコミでも大きく取り扱われていました。本校でも、プロジェクトチーム(1994年7月から1996年8月)を組織し、これまでの教育内容の再検討を行い、進学実績という成果を目的としたものではなく、"どのような教育内容が新しい時代に求められているか"という視点で検討しました。そして、新学習指導要領の改定が告示される直前の1998年度から教育課程を大きく改定したのです。パソコンを導入した授業「国際情報」と自由選択科目「発展科目」(高校の学習範囲を超えた内容を生徒自身が選んで学習する授業で、広範囲な内容を含んでいる)が誕生しました。「パソコンの導入は受験指導の邪魔になる」とか、「従来の教科の枠を超えた授業は冒険的過ぎる」という意見もありましたが、新指導要領で「情報」と「総合的な学習の時間」が新たに設定されたことが追い風になり、1998年度から年次移行で実施することを決定しました。
このように、"どのような教育内容が新しい時代に求められているか"という視点で取り組んだ結果、以前より理系への進学が増加し、理系進学を支援する体制が必要となり、2006年度から「生命科学コース」、「文理コース」からなる新たなコース制を設定したのです。「生命科学コース」、「文理コース」の新設は、"どのような教育内容が新しい時代に求められているか"という視点での教育改革の延長線上に位置するものであり、女子校としてどのような教育内容で女子の理系進学を支援できるかという課題に取り組むために、2006年度の開設に向けて文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に申請したのです。