SSH2期10年を終えて、SSH運営指導委員の阿形清和教授(当時・京都大学大学院理学研究科)より、以下のコメントをいただいた。
清心のSSHプログラムの精神性は以下の文章に良く表わされている。
『これまで、科学が私たちの生活にもたらした変革を語るとき、科学を応用した結果として生まれた技術が、私たちの日常生活をどのように劇的に変えたかという点が、おもに強調されてきた。しかし、技術ではなくて、科学の知識が私たちの世界観を根本的に変革するという、「生命」を見つめ直すような、生命観の育成を目指した教育が必要があると考えられる。また、社会的な立場で「女性」をみたとき、「自立できる女性」の育成が急務である。生命科学の進展にともなう時代の変化の中で、自らの力を生かし社会に貢献できる女性を育成することが必要とされている。』
そして、この目標を達成するために、どのようなプログラムを推進したかというと、『これまでの教育では、考えられなかった多彩な「学びの場」を設定する必要がある。フィールドワーク、校外研修、実験・実習、高大連携、卒業生との交流などによる、知的刺激にあふれ、学びへの意欲を高める授業を展開する必要がある。』まさに、清心のSSHプログラムの根幹をなす文章である。久米島、蒜山からマレーシアにいたるまでの郊外研修、多彩なフィールドワーク、学校の枠を越えた交流、女子高生に知的刺激を与えるのに十分な活動がなされたと総括してよかろう。
清心女子高等学校のSSH教育プログラムの全体像