LETTER FROM NATURE VOL.1(2): ,1995 掲載
1994年12月に、スクミリンゴガイ Pomacea canaliculata Lamarck を邑久郡牛窓町長浜と岡山市中川町で確認したので報告する。
Class Gastropoda 腹足綱
Order Mesogestropoda 中腹足目
Family Pilidae タニシモドキ科
確認されたのは、錦海湾に近い邑久郡牛窓町長浜で、内山工業牛窓工場前の水路から標本を採取し、これを確認した。採取したものは殻高46mm・殻径38mmであった。1994年12月に、卵塊を確認して分布を調べたところ,分布は約1.5kmの範囲にわたっていた。
また、岡山市中川町の水路でもヒメタニシやイシガイと一緒にスクミリンゴガイを採取した。採取したものは、殻高36mm・殻径30mmであった。1994年1月に卵塊を確認して分布を調べたところ、百間川につながる水路にみられた。
スクミリゴガイはタニシに似た貝で、ジャンボタニシとも呼ばれている。殻口に向けて縞模様がみられる。産卵時は水から這いでて陸上部に塊状の卵を産む。産みつけられる場所は、コンクリート・材木・植物などの垂直にたった面でコンクリート橋の近くに多い。色は産卵直後は鮮やかなピンク色で、日数を経たものはやや白みがかった色に変色する。確認場所は農地に近接した水路である。水質汚濁が進んで、異臭をはなっている場所でも生息が見られ、繁殖力も旺盛で、汚染にも強いことから、本種のさらなる分布の拡大が考えられる。
参考文献:岡山県,1993.おかやまの自然第2版.275
http://www.shigeharuakiyama.com/bio/doc/pdf_1995_pomaceacanaliculata.pdf