第11回小柴昌俊科学教育賞に応募して、一次審査(書類)、二次審査(視察・面接)を経て、最終審査への進出が2月19日に決まりました。最終審査は、2015年3月21日(土)に東京大学大学院理学研究科・理学部1号館の小柴ホールで行われ、内容はプレゼンテーション(15分・質問5~10分)になっています。以下の3件(受付順)が、現段階で小柴昌俊科学教育賞の優秀賞または奨励賞の候補に絞られています。
①「高校生を主体とするITを使った世界に向けた数学教育」
関西学院高等部 数理科学部 代表者 宮寺 良平
上記校の高校生がIT技術を活用しながら申請者と協力し、数学での新定理・公式の発見、研究法の確立、数学授業動画のネット発信、数学教員の養成などを行っているプログラム
②「女子生徒の理系進学の基盤を作る生命科学コースの開発」
ノートルダム清心学園清心女子高等学校 生命科学コース 代表者 秋山 繁治
岡山県の女子校で、理系の領域への進学者を育成するため、SSH指定を効果的に活用し多数の生徒を生命科学に関連する大学並みの研究テーマに自発的に参加させ、自然体験を含む幅広い視野を身につけさせようとするスケールの大きい女子教育プログラム
③「教室の化学実験を学力と意識向上に直結させる構想と実践」
山田 暢司(所属:埼玉県立坂戸高等学校)
化学教育で実験と実習は授業の根幹となる要素であるが、実際の教育の場では知識伝達型の授業に陥りやすい。そこで申請者が約10年間に約1500時限にわたり個人で行った生徒実験に基づいて得た成果をシステム化し実践して、教育効果の向上に貢献しているプログラム
※ 小柴昌俊科学教育賞について
平成基礎科学財団は「基礎科学、純粋科学に光をあて、基礎科学の面白さが分かる教育の普及、意欲と夢をもった若者を育てること」を目標に2003年に設立されました。この財団事業のひとつが、"小柴昌俊科学教育賞"の授与による基礎科学教育の振興です。
科学の探究は極めれば極めるほど深奥なものです。科学は意外性に満ちあふれています。基礎科学はその宝庫です。だから面白いのです。この醍醐味を是非、若者たちに体感していただきたい。これが小柴昌俊科学教育賞創設の動機です。「理科教育が危ない」といった今日的状況に照らし、基礎科学への興味と関心を高めるため、 授業内容・方法、教材・教具等の開発及びその指導法などで、新しい発想と工夫を教育現場に期待したいと考えました。公益財団法人平成基礎科学財団の理事長はノーベル賞を受賞された小柴昌俊先生です。