8月にASCに派遣された生徒(K.Kさん)が報告文を書いてくれました。
シンガポールで過ごした一週間は、私にとって忘れられない経験になりました。特にノーベル科学賞やフィールドメダリストによる講演は記憶に残るものばかりでした。私は9つの講義をきいたのですが、英語力や知識不足で内容を十分に理解できなかったものもありました。しかし、どの講師の方々にも共通していたことは「好きなこと、やりたいことをやっている」ということです。どの先生も自分の研究の話になると目を輝かせながら熱心にお話しして下さったことをよく覚えています。さらに、女性科学者の講義もあって、科学の世界で女性が活躍していることを知って嬉しかったです。特にAda Yonath氏の”Females can be good scientists and mothers” という言葉は心に残りました。女性でも科学が好きなら家族を持ちながらでも科学者として活躍できると力強くおっしゃっていたことは忘れられません。これからはこの言葉を信じて頑張っていこうと思います。
また、グループ活動でのポスター発表も大変良い経験になりました。私のグループでは、台湾、韓国、シンガポール、マレーシアからの学生と一緒にポスター作成をしました。グループのメンバー全員が生物学に興味があったこともあり、メンバーとすぐに打ち解けることができました。しかし、アイデアを出し合ったり議論をしたりする際、私の科学の知識不足のせいで積極的に発言できず、他のメンバーが話しているのを聞いているだけということが何度かありました。生物分野のことについて話すといっても、化学や物理など他の分野の知識も必要だということを痛感しました。しかし他のメンバーは私が分からないと言うと、理解できるまで丁寧に教えてくれてとても嬉しかったです。やはり英語は世界の人々と繋がることができる大事なコミュニケーションツールだと感じました。
私は同じ高校の先輩の「ASCに参加してとても良い経験をしたよ。色んな人とコミュニケーションが取れてすごく視野が広がった。」という言葉がきっかけで参加したいと思ったのですが、先輩から聞いていた以上に貴重な経験をさせていただいたと思います。そしてアジアのトップクラスの生徒と交流し、ノーベル賞受賞者の講演をきき、科学について熱く議論を交わすことで、大きく視野が広がったと感じています。これまで自分がどれだけ狭い世界に住み、狭い視野で物事を考えていたかがよく分かりました。ASCで経験したことは絶対に忘れません。これからは学んだことを活かして研究や勉強に取り組んでいきたいと思います。お世話になった方々、本当にありがとうございました。