課題研究は、生命科学(2グループ)、物質科学(2グループ)、数理科学(1グループ)を設定している。指導教員(1グループに1名)が研究テーマについて(の)説明し、生徒各自でどのグループに属するかを選択する。そして、具体的に研究を進めていく過程では、それぞれのグループに大学の先生方から専門的なアドバイスをいただくという体制をつくっている。授業としては週2時間を設定しているが、より興味を持った生徒は、部活動として放課後毎日のように課題研究に取り組んでいる。テーマをある程度限定することで、研究にストーリーが生まれ、先輩から後輩に研究が継承されていく形になるので、技術が進歩し、研究内容を深化させることができていると感じている。
SSH校は、年一回SSH生徒研究発表会に参加する。各SSH校を代表した生徒が科学研究の成果を発表する場が設定されているのである。課題研究の指導教員としては、特に発表前の一ヶ月はポスター作りや発表の練習に集中的に付き合うことになる。放課後、土日、毎日のように生徒が理科室を訪れる日が続く。生徒はその間にもっとも急激に人間的に成長する。そこで身につけた集中して物事に取り組む姿勢は、将来の進路についても真摯に考え、将来の進路を考える上で生かされ、納得できる進路に進むことにつながっていく。
SSH指定を受ける前は、科学研究の成果を学校外で発表することなど全く考えられなかったが、SSH指定3年目のSSH生徒研究発表会(科学技術振興機構理事長賞を受賞)という大きな舞台を経験したあと、全体の研究レベルが急激に上がり、対外的にも評価されるようになった。今では日本学生科学賞、JSEC、化学グランドコンテスト等の大きな大会で入賞できるようになった。英語教育中心で、理系進学者も少なく、科学研究で芽が出そうもない女子校でも、教育プログラムを刷新することで、たった5年間でここまで科学研究で成果がだせる学校に変容することができることを証明したのである。