1月7日に新年を迎え、最初の職員会議で、森雅子教頭がSSH事業についての方針を語った。
【清心学園のめざす教育とは】
(2013年12月9日の職員研修でSr.渡辺和子理事長の話から)
→カトリックの価値観に基づき,生徒一人ひとりをpersonとしてとらえ(個性を大切に考え),一個の人格として育てていく教育を提供する学校であり続けてほしい。
Ⅰ.時代の要請に応える‥・社会的チャレンジの必要性
→グローバル人材育成(①自分の考えを持っている、②世界中の異なる考えを受け入れ共感できる、③距離を縮めながら答えを追い求める) ※英語はそのためのツールとなる。
→持続的な成長にはイノベーションが必要,イノベーションにはダイバーシティが必要。
社会要請に対する教育的チャレンジとしての「生命科学コース」を設立した→2006年度から文科省SSH指定
Ⅱ.座談会「理系女性はなぜ少ないか」(『大学時報』2006年9月号No.310)
→女子教育を考えるためのポイント
①社会の現状を見極める
②女子が理系を「本当に自由に選べる」「素直に選択できる」教育環境の必要性
③性差があるとすれば,その特色のある構成員が一緒にすることでよりよくなる
④科学的な興味と探究心を教員が持つこと 新たな視点から授業開発、教材研究の必要性
⑤理系女子を増やすメリット→男性・女性の視点(→男女共同参画)を平等に扱える国つくり
⑥一過性でない高大連携の必要性
Ⅲ.「SSH指定から7年,その成果と課題」(秋山繁治・『大学時報』2013年9月No.352)
→「求む!理系女子の力」の特集で、SSh事業で理系進学支援をどのように展開したかを紹介
(1)はじめに
(2)女子校は今の社会でも必要なのか
→女性パワーを取り込んだ社会システムの構築が必要
(3)SSHでどのような教育プログラムを盛り込んだか
→理系進学支援する具体的な教育的方針
①ロールモデルの提示
②直接体験の重視
③リーダーシップの育成
④国際性の育成
(4)授業「生命」の”生き方教育”から出発
※ 秋山繁治「総合的な学習「生命」での生き方教育」『現代性教育研究時報』Vol.23.No.8,2005年(日本性教育協会)で紹介
(5)課題研究はどのように進めたか
①生徒が集中してものごとに取り組み,将来の進路について真筆に考える
②本当に好きなことを見つけさせて実感させる
③科学研究の受賞 → 「広い世界にうって出ることにより強くなる」
(6)課題研究で生徒の適性を引き出す
①生徒の希望で研究グループを選択
②高校では、生命科学2グループ、物質科学1グループ、数理科学1グループを設定。
③2012年度から中学校でも課題研究を設定。
(7)女子生徒に自然体験が重要…研修の「学校設定科目」化
①「自然探究I」鳥取大学「蒜山の森」での講義と森林調査の実習
②「自然探究Ⅱ」沖縄本島 座間味島での講義と自然観察
③「自然探究A」マレーシア・ボルネオ島生物多様性についての講義と自然観察
(8)英語運用能力を育成する手法としてのディベート
①グローバル人材の必要条件としてのディベートを英語の授業に導入
②ネイティブ教員を生命科学コースの担任に配置し、日常的に英語に馴染める環境を準備
(9)発表者が女子だけの科学研究交流会を開催
毎年10月末に、福山大学宮地茂記念館で、「集まれ理系女子!女子生徒による科学研究交流会」を開催。2013年で5回目。参加者は毎年300名を超え、大きなイベントとして定着。
(10)これから取り組まなければならない課題は何か
①中学校からの教育プログラムの構築
②高大接続
Ⅳ.SSHとして教育力を高めるためには
→SSH事業を起爆剤としたイノベーション
①生物科学課題研究、物質科学課題研究、数理科学課題研究(高校)
②実践英語
③中学校課題研究(理科・数学)
④中高連携理科教材研究
⑤ユネスコスクールの指定を2012年度に受けてESD活動を推進
→すべての教員が本校のSSH事業の内容をよく知り,関心をもってかかわりをもつことが必要。生徒に充実した教育を提供するという立場で「自分に何ができるか」を考えてほしい。
①授業研究:問題を解決するために考える過程を重視する。生徒にとって「難しいけれど,取り組むことで満足感を得られる」ような授業を構築する。を育てることを目指す。
②前向きに取り組む意欲の育成:生徒の行動をどう変容させるかが課題。暗記中心の受身な勉強だけでは、困難に立ち向かって、自ら解決するような「生きる力」をもった生徒を育成することは無理。