• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

今日の授業で、高校1年生に紹介した文章です。

 誰もがひとはみんな勉強しなければならないことを知っていますが、それでいて勉強することにはみんな違和感を持っています。勉強することはひとの本能ではないからです。私たちは、覚悟を決めないと勉強に入っていくことはできません。勉強することは単に知識や学力を身につけることではなく、私たちの頭脳や身体を知的に組みかえていくことです。勉強する子どもたちは、多かれ少なかれ「自分」に挑戦しているのです。どんな子どもでもそうです。「私」が居て知識を身につけていくのではなく、知識を身につけて「私」自体が変容していくのが勉強なのです。
 したがって、勉強するということは、まず私たちひとの生物性(自然のまま)を一度否定することと言えましょう。もちろん、ひとは身体(物質)でできていますので、その身体性(自然性)を消し去ることはできません。勉強は、その自然性を抑えて、文化的・知的な頭脳や身体に仕立て上げていくことを意味します。まず先に「私」(個人)があって、後からその「私」が知識を身につけていくのではありません。近代的な主体である「私」をつくるために、ひとの本能や自然性に逆らって、知的な身体に変えていくことなのです。
 ひとは、生まれたままでは、生きることはできません。その「生まれたまま」を人類のつくり上げてきた「知」や文化で一度否定する必要があります。勉強するということは、いわば生まれたままの「自分」を否定して、社会的な「自己」をつくっていこうとする営みなのです。お金を出して知識を買うことではありません。「知」や法や習俗などによって「自分」を社会的な「私」(個人)に組みかえていくプロセスなのです。したがって、知的に成長しないありのままの「自分」や、今のままで居たい後退的な「自分」は、そこでは否定されることになります。
 私たちの勉強への違和感は、ここに発しています。勉強は「ありのまま」の自分を否定するからです。
 ひとのそれぞれの「この私」は、人類や社会の文化によって一度否定されることなしに、ひとになることや近代的個人(自己、「私」) になることはできないのです。近代的な個人になるために勉強は不可欠であり、勉強は個人が成長するためにあるのではなく、まだ個人になっていないひとの個体が個人になるためにあるのです。だから、本当は個人はまずそこに「居る」のではなく、勉強によってつくられる過程で「現れてくる」と言えましょう。
 勉強は、現在の 「私」 を変えるためにあります。私たちがどこかで勉強に対する忌避の感覚を持っているのは、きっと、私たちの奥底にある「自然」(ありのまま)が変化することに反発しているからなのでしょう。
 だから、仮にみなさんが勉強嫌いであったとしても、それが異常なこととか大変なこととか思う必要はまったくありません。かえって、勉強大好き!という人のほうが変だとも言えます。勉強嫌いであっても、我慢してやればいいのです。まったくやらないでは、近代を生きることはできません。やりたくない本音を胸に隠して、がんばればいいのです。

諏訪哲二『なぜ勉強させるのか・教育再生を根本から考える』(光文社)から抜粋(P248-250)

  • 投稿者 akiyama : 19:29

かもめのジョナサン

2013年10月15日

no image
朝、久しぶりに本棚の「かもめのジョナサン」を取り出して、眺めてみた。昭和59(1984)年に英語版を買っている。価格は900円。約30年前、ちょうど今の学校に勤めるようになって間もないころだ。当時、クラスの原稿にこの本の一節を紹介した記憶がある。・・・「この風変わりなカモメにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった」。…続きを見る
no image
台風23号の影響で飛行機が欠航し、那覇に1泊しましたが、今日のJTA01411:50那覇発、13:45岡山到着予定の便で帰ります。保護者の皆さんには、ご心配をおかけしましたが、今年度は2年E組は欠席者もなく全員元気にしています。旅の思い出をご家庭で共有していただけることを祈っています。  台風の影響で計画を変更したにもかかわらず、多くの先生方の協力で、今回参加したから体験できたという貴重な内容も多…続きを見る
no image
台風23号の影響で、飛行機が欠航して、もう一泊那覇に宿泊することになりました。午前の沖縄子どもの国での動物についての講義は予定通り実施できました。12時までで、沖縄子どもの国も台風の影響で閉演するということで、その直前の10:00~11:30時間で、コウモリとヘビの話を中心に、帰化種などの環境問題にも踏み込んだ話を聞くことができした。午後はホテルへ向かう途中で、沖縄そばを食べて、強風警報が発令され…続きを見る
no image
朝食を6:30にして、やんばるの森を7:40に出発しました。沖縄科学技術大学院大学で10:10から女性研究者の2つの講演を聞かせていただき、その後で大学院の研究施設の案内をしていただきいました。午後から座間味島に渡航する予定でしたが、台風の影響で内容を変更し、ちゅら海水族館、慶佐次湾でシカヤックの実習を行うことになっています。…続きを見る
no image
沖縄科学技術大学院大学で、女性研究者の講義を受けた後、施設見学もしていただきました。 …続きを見る
no image
OISTは、科学研究の新たな拠点として、沖縄に開学された大学院大学です。昨年9月に開校したばかりです。OISTの説明、女性研究者の講演、施設案内をしていただきました。 …続きを見る
no image
10月1日(火)の朝、岡山空港を出発しました。同じ日に台風23号が発生し、北上してきていますが、今日の沖縄は快晴で風もなく、2日目の自然観察の実習はすべて予定通り終えることができました。明日10月3日は、午前中、沖縄科学技術大学院大学で講義を受け、午後から座間味島に移動する予定になっていますが、明日は影響がないものの座間味航路が4日から6日まで欠航する可能性が高い(座間味島に行けても台風の影響でし…続きを見る
no image
やんばるの森で自然観察をしました。午前中は、朝6時から希望対象で野鳥を観察しました。幸運だった人は、ヤンバルクイナやノグチゲラに出会うことができました。9時頃からは、蝶(チョウ)の観察をして、食草との関係などを学びました。昼からは、夜中の動物観察を想定した下見を兼ねた散策をしました。…続きを見る
no image
8:20発JTA那覇便で沖縄に向かいました。那覇空港上空に10:00頃到着したので、1時間40分しかかからないことにびっくりしましたが、空港が混雑していたので、結局着陸したのは10:20でした。バスで慶佐次に移動し、マングルーブ林の観察をしました。マングローブを、構成するヤエヤマヒルギ、オヒルギ、メヒルギなどの植物やシオマネキ、アナジャコなど動物のことを学びました。今日の朝、熱帯性低気圧が台風23…続きを見る
1

このページの先頭へ