多くの私立高校で何らかの大きな成果があったときには、「祝甲子園出場」とか、「祝、○×大学医学部合格」などの垂れ幕が校舎に飾らている。しかしながら、勤務して30年が経つが、一度もそのようなことはしていない。大々的に宣伝しているようで、大人げないとされていたのかもしれない。
2006年から文科省SSH事業に取り組んでから、いままで科学研究の分野ではまったく活躍することのなかった本校が、科学研究のいろいろな発表会で毎年のように成果が認められ、新聞で報道されるようになった。しかしながら、その成果は現在もほとんどの教員や生徒に認識されている状況ではなく、したがって、成果を挙げた生徒に声をかけることもないし、褒めてやることもしないので、受賞した生徒たちもなんだか不思議な感じだった(アメリカに派遣されたりしても・・・家族旅行の扱い?)。女子校といえば一般的に英語教育で、「女の子が理系に進学することを支援する科学教育への認識が培われてこなかったなが原因だろうか。
こんな状況で、科学に取り組む生徒のことを少しは知ってもらおうということで、垂れ幕を設置することが決まった。もちろん、英語のスピーチコンテストやスポーツの全国大会で活躍した生徒の活躍を知らせることもできるので、いいことだと思う。教師の中には、私学なので生徒募集的に宣伝になるかどうかという有効性をすぐに言い出す人もいるかもしれないが(すぐに自分の視点で損得を考える人が多い・・・)、現状では自分の学校の仲間たちに知らせるというだけでも大きな意味があると思う。