現地のマレージアのインド系の人からこの4月20日までに国会が必ず解散すると聞きました。今回の総選挙はこれからのマレージアにとって最も大きな意味を持つ選挙で、日本で与党自民党を破って民主党が政権を取った時と似た状況にあると説明してくれました。
2006年から毎年1回マレージアを訪問していますが、当時から国立大学への進学はマレー人が優遇されていて、中国系やインド系の人は進学するのが大変難しいという話は聞いていました。実際故、僕が会った中国系の人は、マレーシアでは大学への進学ができなかったので、借金をして日本の学校に留学したので、今は友人と部屋をシェアして節約しながらにしながら仕事をして、借金をかえしているということでした。仕事も、中国系は商売、インド系は運転手が多いなど職種も人種と相関がありました。このようなマレー系を優遇ウする「ブミプトラ(土地の子)政策」に対する他民族の反発が増している状況で今回の選挙がおこなわれるのです。
バスでの移動中、各地で道路脇に旗が立てられていました。与党連合・国民戦線(BN)の天秤をデザインした(ような)旗、野党連合・人民同盟(PR)のいろいろな旗・・・どの政党を支持しているかを示すための旗です。政府は、2008年の選挙でBNの獲得議席が、安定議席となる全体の3分の2を39年ぶりに割り込みました。そのため、支持を取り戻すために巨額な公共事業をしたのだと聞きました。研修旅行の行先にしているサバ州も近年都市化に向けて大きく変化しています。特に市街地の新築や改装が目立ちます。コタキナバル国際空港もモダンなデザインの空港になったのはたった4年前です。
今回の研修旅行で、最後に野生動物の観察のために訪問するはすであったスカウは、サバ州の東部でのテロの影響で訪れることはできませんでした。日本では、この事件は、イスラム過激派の侵入によるテロに対して、マレーシア軍が鎮圧化して正常化したと報道されていますが、これはマレーシア政府側からの見方で、今回の総選挙に際して、マレーシア政府の力を示すためのものどという意見もあります。したがって、総選挙の期限である4月20日までには必ずこの事件は終わると聞きました。そして、イスラム過激派と言われている人は、フィリピン諸島のボルネオ島に近い島に住むズール族で、以前のマレーシア政府はその部族を優遇してマレーシア国籍まで与えており、平穏な関係にあったと聞いています。約250人が潜入し多と報道されましたが(現在はほとんどが捕えられ、10名が残っている程度)、そんなに多くの人数が減収な検問を掻い潜って入ってこれるわけがなく、彼らはマレーシア国籍をもっているからだという話も聞きました。
マレーシアについて多民族からなっていても平和に暮らしていると印象しかありませんでした(実際に治安がいい)が、今回改めていろいろな社会的問題について勉強することができました。日本の国民は、東南アジアの国に対して、「労働力が安く利用できる」、「物価が安く、退職後老後を過ごす」、「安く行ける観光地」という理解しかしていないかもしれません。しかしながら、その国には私たちと同じ人間が同じように幸せを求めて生きていることを忘れないで欲しいと思います。
生徒が、マレーシアの市街地でポスターなどに掲げてあった「ワン マレーシア」という標語の「ワン」の意味を質問しました。その「ワン」は「一つになる」という意味です。多くの日本人は、「日本人」であることを肯定し、日本人であることを認めています。しかしながら、マレーシアは他民族で構成され、信ずる宗教も多様です。そこで、現政府が出した方針で、日本のように帰属意識をもった国民「一つ」にしたいというメッセージを謳ったのです。マレーシアは、東南アジア諸国連合(ASEAN)で経済の大きさは3番目、日本から1409社(JETROの2012年末調査)が進出している国です。