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変法マロリー法

2012年7月 1日

1.組織の切り出しとトリミング
・固定液が染み込むように、4mm四方くらいの小さな塊に切り出す。

2.固定
1)Bodianll固定液を調合する。
80%エタノール:ホルマリン:氷酢酸 = 18:1:1
2)固定は室温で2~6時間
4mm四方の小さな組織で2時間は必要、30minでは染色されない。固定8時間でも染色されるが、固定2時間の場合より染色が若干の劣る。

3.脱灰
1)【脱灰】プランク・リュクロ液、室温、24時間、振蘯
2)【洗浄】PBS、室温、適当(次の作業の時間調整としてPBSで放置)

4.脱水と包埋
1)【洗浄】80%エタノール ×2回
2)【脱水】エタノールシリーズ
3)【浸漬】キシレン、10分
4)【浸漬】キシレン-パラフィン混液、1~2時間
5)【浸漬】パラフィン1、1時間
6)【浸漬】パラフィン2、1時間
7)【固化】パラフィンに包埋 → 水で固化

5.切片作成
・厚さ:3μm

6.染色
【準備品】
・染色ビン:7個
内訳;Nuclear Fast Red用、リン-タングステン酸用、「Anilin Blue」用、100% EtOH(1)、(2)用、蒸留水用×2
・500mlビーカー:2個
内訳;90%、95% EtOHを各400ml → 500ml調製後ビーカーに注ぐ

1)【脱パラ】 
キシレンより優れた効果を持つクリアプラスを使用
クリアプラス(1)10min → クリアプラス(2)min
2)【脱キシレン&水和】アルコールシリーズ(処理時間:各2分)
99%(1) → 99%(2) → 95% → 70% → 蒸留水
3)【染色】0.1% Nuclear Fast Redに5-40分浸す。
※イモリの肢では、調整直後で15分、一週間後で30分、2週間後で1時間染色することで核がしっかりと染まる。
※染色後、しっかりと核が染まっていることを確認する。核はかなり赤が強く、仁は真っ赤に染まるはずである。そうしないと、次の染色で核の色が埋もれてしまう。
4)【水洗】蒸留水で手早く洗う。
5)リンタングステン酸の1%水溶液に1分浸して、弁色する。
※抜けが悪くなったら半分捨て、新しいものを足す。(電顕センター)
6)【水洗】蒸留水で手早く洗う。
7)2倍希釈アニリン青―オレンジG液に1分浸す
8)90%エタノールで手早く洗う。
※液色が青くなるが、気にする必要はない。90、95%アルコールでは500ml位のビーカーに直接バスケットを浸して時間の調節や洗浄が速やかになるようにする。
9)95%エタノールで手早く色調を整える。
10)100%エタノール(1)に浸す。ここでの色落ちはほとんどない。
11)100%エタノール(2)に移す。

7.封入
1)キシレン1
2)キシレン2
3)キシレン3
4)マリノール(武藤化学製)またはエンテランニュー(メルク社)で封入する。

※染色条件は自分でテストサンプルを用意して十分納得するまで、行いますが、オレンジG-アニリン青の染色時間と90%アルコールの洗い方で結果が大きく左右されます。出来上がりの目安としてはプレパラートを見たとき、全体が藤色くらいが適当で、青過ぎるものや、オレンジ過ぎるものは失敗です。
※染色の程度は、どのような目的で映像を使用するかを考えて変える必要があります。専門的な形態研究に使用する場合は高倍率の顕微鏡観察で、細部が明確にわかるものでないといけません。そのような場合は、染色が薄すぎる位が適当です。また不特定多数の方を対象としたポスター発表のような場合は細部の明確さよりも全体的な様子を理解することが重要となります。この場合は染色をかなり濃くした方が良いようです。

【試薬】
<プランクリュクロ脱灰液>
脱灰液A (プランク・リュクロ処方)、和光純薬、code:047-21911、1ℓ、3600円
※2週間ほどで染色時間を4倍にしなければならないほど劣化が早い。従って、染色することが決まってから少量調整するとよい(染色時間:作製直後:15分、1週間後:30分、2週間後:1時間)。
※円柱状の染色瓶(スライドグラスが9枚まで)で、50ml。染色バスケットによる染色では、150~200ml。

50ml作製
1)蒸留水 50mlを電子レンジで沸騰させる。
2)硫酸アルミウム 2.5gを沸騰した蒸留水に加える。 → スターラーで撹拌
3)Nuclear Fast Red 0.2gを加えて、スターラーで撹拌する。(この時、加熱する必要はない。自然にさめながら溶けてゆく。2~3時間)
3)No.1のろ紙でろ過する。褐色瓶に保存。
※使用する色素はメルク社のものなど上等のものを使用した方が結果が安定する。硫酸アルミニウムは5%水溶液水和物で市販されている。
※染色液は適当に作らないとカビが生えて使い物にならぬときもある。
※濾過は、No.1の粗いろ紙を使わないと、目がつまって濾過できない
<Aniline Blue-OrangeG混合液の調整>
1)アニリン青 0.5g、オレンジG 2g、シュウ酸 2gを100mlの蒸留水に溶す。
2)使用時:1~3倍に薄めて使用する。
<リンタングステン酸の1%水溶液>
1)リンタングステン酸 1.5gを150mlの蒸留水に溶かす。

  • 投稿者 akiyama : 10:57

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