ESD(Education for Sustainable Development)は、日本語では「持続可能な開発(発展)のための教育」(=持続発展教育)といいます。
私たちの生活が豊かで便利になった一方で、地球温暖化の問題、エネルギー・食糧・水問題、格差社会問題、安全安心の問題、教育問題などが深刻化してきました。エコロジカル・フットプリント(人間が一年間に消費する食糧や木材などの資源量を、その生産に必要な陸と海を合わせた面積で表す指標)で見ると、世界はすでに地球全体の面積を超えており、持続不可能な状態におちいっています。
多くの人が、今の社会と将来に不安を感じています。広く世界を見て、世界の情勢を知り、一人ひとりが、どうすればこの先も暮らしていけるかをしっかり学び、実践していかないと、この先生きていけない状況に追い込まれつつあります。社会を変えるなら人を変える。人を変えるなら教育を変える。だからESDが必要なのです。
【ESDの始まり】
ESDは、2002年(平成14年)に南アフリカで開催されたヨハネスブルグ・サミット(持続可能な開発に関する世界首脳会議)において、当時の小泉首相が日本の提案として、2005年(平成17年)からの10年間を「持続可能な開発のための教育の10年」とするよう国連に求めたことから始まりました。ESDは、社会を持続不可能なものへ向かわせたすべての人の価値観、行動、生活様式を変革するための教育活動です。今を生きる子どもから大人まで、すべての人が対象です。
1.ESDは持続可能な社会づくりに必要な知識や技術を教えるだけではなく、問題の解決に向けて、お互いが知恵を出し合い学び合うことで、暮らしや仕事、社会のあり方までを変えていくことを目指しています。
2.ESDは、今だけでなく未来のことも考え、それぞれの地域で問題をどう解決するか、どうよりよい未来をつくるのか、そういうことに取り組む力を育む学び、地域づくり、人づくりです。社会をより良く変革していくため、個人や団体だけでなく、地域ぐるみの取り組みが望まれています。