1.麻酔をかける
・0.5%クロレトン水溶液を使用(溶けにくいので、すりつぶす)。
・尾をピンセットでつまんでも動かなくなるまで麻酔をかける。
・繁殖期のものならば数分でかかりますが、非繁殖期のものはかかりが悪いです。
・0.1%MS222(m-アミノ安息香酸エチルメタンスルホネート)もよいですが、高価です。手術して、蘇生するときに使用します。
2.形を整える
①口にキムワイプを入れ、開ける。
・普通のチイシュだと、繊維が歯にからまるため、後で顕微鏡でみるときに都合が悪いです。
・口は横から見て、頭が水平になるようにプしておきます。
・ケント紙を口の幅に切り、先を切り三角形にしておき、のどまでさしこみ、その後で、キムワイプをいれると、舌の形がいびつになりません。
②発泡スチロールの箱の中で、形を整える
・浅い発泡スチロールの箱の角の部分をカッターで切り、この部分に顎を当てます。こうすると、頭が上がらず、横からみると頭から胴にかけ水平になります。
・四肢は虫ピンで動かないように止めます。直接さすのではなく、左右から斜めに発泡スチロールにさし押さえるようにします。
・尾はのばしておきます。
・発泡スチロールは、いくつか用意しておけば便利です。多いときは大きいもの(30×20cmほど)、少ないときは小さなもの(10×20cmほど)
③10%ホルマリンを注ぐ
・0%ホルマリンは原液を10倍に薄めたものです。
・注いでいるときに、麻酔の利きがわるいとあばれて、ひふから白い液をだします。その時は、死ぬまでまって、改めて形を整えます。
④70%アルコールに移す。
・1週間もすれば移してもよいと思います。
・水に浸し、水をぬいてから移す場合と簡単に水洗して、移す場合があります。
・観察する場合は、ホルマリン浸の標本の方が乾燥せず便利です。
⑤保管
・ サンプルビンに入れる。
・ サンショウウオの場合は、450cc(カスミサンショオウウオなどの小型のもの)と900cあるものでないと、900cc(大型の種類)があれば十分です。
中ぶたがないとすぐに蒸発します。
・ ラベルをつける
同じデータの場合は、まとめてデータを記入したものをビンにいれておくか、はりつけておきます。通し番号をつけたラベルに糸をつけ腰にまきつけます。データの記入は、エンピツもしくはロットリング(炭素の入った製図用のインク)を使用します。ボールペンは長い年月がたつと消えます。
⑥DNA分析
冷凍標本や筋肉や肝臓を100%アルコールにつけたものが必要になります。