今年の第3回女子生徒による科学研究発表交流会で、東京大学分子生物学研究所の加藤茂明に講演していただく。演題は『研究室の女性研究者がどのような経緯で加藤研究室に至ったか』である。現在、交流会のパンフレットを作成中で、どのような誌面するかを考えている。加藤先生の紹介できるように、HPや書物に目を通しているところである。以下は、インタビューの一部である。
重要なのはアウトプットの質です.自分の預かった学生が,例えば「基礎研究者になりたい」とか「企業の研究で活躍したい」と言ったら,やはりその人にとってその人がなりたいような人生を送らせてあげたいと思います.そうなると,やはりアウトプットが重要です.今,私のラボの右腕の研究者は東京農業大学の出身で東京大学の講師だったんですが,彼は学生のときにScienceにファーストオーサーで論文を書いている.だから,彼はずっとその後は一流できています.もう一人,やはり東京農業大学のときに私のラボで博士号を取って群馬大学に移った弟子は,今年Natureに論文を書いています.そうすると,彼らは研究者として生きていけるんですよ.
あとは謙虚さも重要.みんなインパクトファクターの低い論文のことをばかにするけれど,実際に論文を1本通すプロセスがとても大変なのです.その理解のもとに,研究者に対するリスペクトが生まれると思います.だから,よく雑誌会で居眠りしている学生に怒鳴るんです.「自分が論文出すときはあんなに大変だったのに,世界中の誰かがこんなに頑張ってやった研究の論文に対して寝てるってのはどういうことだって。