表彰式で、岡山市長から特別賞をいただいた。清心女子高等学校生物部の4名が出席し、代表として生命科学コース2年生の三宅舞さんが挨拶をした。
【挨拶の内容】
「今回の「ESD・環境活動発表交流会特別賞」の受賞は、先輩の代から続けてきた取り組みが評価され、大変嬉しく思います。
日本は、世界的にみると、女子の理系進学者が極めて少ない国で、歴史的に理系に進みにくい状況が作られてしまっており、今、国のレベルで女子の理系進学支援の動きが起こっています。その状況の中で、私たちの学校は、私立女子校で初めて文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けて、「女性の科学分野での活躍を支援する教育のモデル」となることを目指しています。
20年間続けてきたサンショウウオの飼育、森林の二酸化炭素吸収能力を推定するための調査、マレーシアの高校生との交流、ボルネオ島や西表島での環境学習、科学分野で活躍する女性との出会いなどを通して多くのことを学びました。
サンショウウオの研究では、生命を扱うことの難しさを実感しました。ボルネオ研修では、日本と違った生き物の豊富さに驚き、一方で、以前は緑豊かな森であっただろう場所が、広大な油ヤシのプランテーションに変わっており、改めて自然の消失に胸を痛めました。人間の住みやすさを追求した結果、本来失われるべきではないものまで失ってしまったのだと思います。
地球温暖化をはじめ、今、世界で私たちの将来を脅かす様々な問題が起こっています。私たちは、それをどれくらい身近な問題として感じているでしょうか。世界の人たちはつながりあっていて、それらの問題は私たちの生活に密接に関わり合っています。私たちは持続可能な社会とはできるだけ多くの種類の生物や文化が残っている社会(多様性を大切にする社会)だと考えています。現状を「持続可能な未来」に変えていくために、今、世界でESDが進められています。本校も、「岡山ESDプロジェクト」が始まった平成17年から重点取組組織として取り組んできました。
私たち高校生1人1人の力は小さいかもしれませんが、今回の受賞を励みにして、今の取り組みを継続し、持続可能な社会に向けて「未来を変える力」となれる市民に成長していきたいと思います。」