今年も自宅の人工池にオオイタサンショウウオが産卵していた。気がついたのは昨日(27日)で、なにやらメダカのように動くものを、偶然発見した。たも網ですくいあげてみるとまだ小さなオオイタサンショウウオの幼生だった。4月に産卵され、5月に孵化したものと考えられる。人工池は、3月までほとんど水がなかった状態だったことを考えると、成体が、この一年間かなり厳しい条件を乗り超えて、産卵期まで生き延びて、繁殖場所まで来て産卵したということになる。
人工池は、実験に使えなくなった個体(餌食いが悪くて極端に痩せたり、明らかに瀕死の状態になったもの、いったん逃げ出して年度がわからなくなったもの)を放すために作ったもので、自宅(市街地、郵便局の隣)の庭に木陰になる場所を選んで、穴を掘ってシートを敷いて水を溜めたもので、2年前から放すようにしていた。
この人工池には、 昨年、卵嚢のうが草に付着させた形で産みつけられているのを発見した。しかしながら、そのときの卵嚢中の卵はは正常発せず、したがって幼生は確認できなかったので、産卵の確認はしたものの、生き延びていたのは偶然だと簡単に考えていた。その後池の水漏れを防ぐために敷いていたシートを除去してしまい、池の水を涸れたままの状態にしていた。新たにシートを敷いて水を入れたのが今年の3月になってからである。今年の観察で、生んだ個体が昨年と同じ個体かどうかはわからないが、市街地の庭の池のような環境でもオオイタサンショウウオの繁殖が可能だといういうことがわかった。さらに言えば、2匹以上の成体が2年間、庭で生き延びて、人工の狭い池で、出会い配偶行動をして、受精を成立させたということである。