■インターセクシュアル(インターセックス)
「半陰陽」と呼ばれてきた。身体の性別(SEX)が明瞭でない人を総称する。
■カミング・アウト(カムアウト)
本来は、同性愛者であることを他人や社会に対して開示すること。「クローゼットの中から出てくる(coming out of the closet)」という成語の短縮形として使われるようになった。カムアウトともいう。
現在では広く、黙っていればわからないマイノリティがマイノリティとしての自己を開示する意味でも用いられている。クローゼットとは、同性愛者が自分の性的指向を隠しておくために閉じこもっている場所の比喩。
■ゲイ(男性同性愛者)
男性という自覚を持ち、男性が恋愛対象や性的対象となること、またそのような人。男性同性愛、男性同性愛者。ホモセクシュアルともいう。ホモ、オカマという言葉が使われることもあるが、侮蔑的な意味合いが含まれるため、不快感を持つ当事者も多い。
■ジェンダーフリー
性別による固定的な社会的役割に縛られない状態。個性の一部として性・セクシュアリティを捉え、ジェンダーの前提である性別二元論そのものを無効化していくことをも含んだ概念。
■性自認(ジェンダー・アイデンティティ)
自分自身の性別をどう認識しているかということ。女性、男性、どちらでもない、どちらでもある、時により変化する、など多様である。FTMは、「female to male」で「女性から男性へ」、つまり、生まれたときの身体の性別は女性だが、男性としての自覚(性自認)をもっている人をいう。MTFはその逆の場合である。
■性的自己決定権
自己の性別や性的指向など性に関わる基本的な事柄について、正確な情報を得て自己判定し、決定するとともに、性と生殖に関わる選択について自ら決定する権利。判断の基準となる情報が自由に手に入れられることが大前提になる。
■性的指向(セクシュアル・オリエンテーション)
恋愛感情や性的欲望がどの性に向かうかということ。「嗜好」の語を思い浮かべる人もいるだろうが、本人の意思で変えられる性格のものではないという意味で「指向」とされる。
■性同一性障害(GID:Gender Identity Disorder)
身体の性(SEX)と性自認の間に何らかのギャップがあること。
■性別二元論
ジェンダーや強制異性愛の前提となっている女と男の二つの性しか存在しないという考え方。
■社会的性役割(ジェンダー・ロール)
生物学的性別(sex)に対応する女・男という社会的性別(gender)によって社会的文化的に期待され、押しつけられることで後天的に身につける役割。社会や時代によって異なる相対的なものだが、男性が優位に、女性が劣位に位置づけられることが多い。「女は女らしく」「男は男らしく」を筆頭に、さまざまな言葉や表現によって日々刷り込みを受けている。
■セクシュアリティ
ジェンダー、性自認、性的指向の三つの要素からなる性的欲望とその充足に関わるあらゆる感情・心理と行動のありよう。
■セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)
性自認と生物学上の性が一致しているヘテロセクシュアルをセクシュアル・マジョリティ(性的多数者)と呼ぶのに対し、それ以外のレズビアンやゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックスなどを総称する語。このうちバイセクシュアルを両性愛(者)と訳することもあるが、性別が重要な要素ではない場合も多いので、的確とはいいがたい。
■トランス・ジェンダー
戸籍上の性や生物学的性、それらによって強制されるジェンダー・ロール(社会的性役割)に違和感をもち、もう一方の「性」を生きようとする人々を、広義の意味でトランス・ジェンダーと言う。
■トランス・セクシュアル
トランス・ジェンダーのなかでもとくに、性自認と自身の生物学的性の間に痛烈な違和感を持ち、外科的手術を望む人のことを狭義の意味でトランス・セクシュアルと呼ぷ。障害という語がつくのは間違っているのではないかとも思われるが、医療行為が病気に対して行うものという前提があるため、受け入れざるを得ないという状況がある。
■半陰陽(インターセックス)
両性の特性をあわせ持ち、解剖学的に男女の区別の判断ができない中間性を有する状態、あるいはそのような人。
■ヘテロセクシュアル(異性愛著)
女性という自覚を持つ場合には男性が、男性という自覚を持つ場合には女性が、恋愛対象や性的対象になること、またそのような人。異性愛、異性愛者。
■レズビアン(女性同性愛者)
女性という自覚を持ち、女性が恋愛対象や性的対象となること、またそのような人。女性同性愛、女性同性愛者。この語を省略形にしたレズという言葉はポルノ的なイメージが強く、侮蔑的な意味合いが含まれるため、不快感を持つ当事者も多い。