清心女子高校(二年生対象・2005.11.05))
演題:「女性にも男性にも知っておいてほしい法律」
弁護士 高崎 和美
1 憲法24条
婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
※アメリカの憲法は、両性の平等を定めていない。
※ベアテ・シロタ 『ベアテの贈り物』
2 民法・戸籍法の定め
① 戸籍とは?
戸(夫婦と未婚の子ども)の単位で国民の姓名、生年月日、身分関係を登録したもの。
1つの戸籍に入っている者は同姓。
② 婚姻や離婚で姓はどうなる?
戸籍法 74条
婚姻したら、夫婦が称する氏を届け出る。⇒どちらかにあわせないといけない。
(⇒新しい戸籍を作り、2人とも親の戸籍から抜ける)
民法767条
子どもができたら、嫡出の子は父母の氏を称する。
嫡出でない子は母の氏を称する。
離婚したら、「婚姻により氏を改めた者」が元の姓に戻る。
(⇒氏を改めた方が戸籍から抜ける。
⇒新戸籍を作るか、親の戸籍に戻るか決める)
子どもは、そのまま。
(⇒氏を改めなかった方の戸籍に残る。)
※ 民法791条 氏の変更
父又は母と氏を異にする場合、家庭裁判所の許可を得て変更できる。
3 DV防止法(正式名 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)
① 夫婦間暴力から
1980年代からすでに、女性への暴力が世界的には問題になっていた。日本では90年代の終わりから家庭内で夫から妻への暴力が問題となり、法律の制定へと進んだ。しかし、ボーイフレンドからの暴力など未解決の問題は多い。
② 法の構造
第1章 定義
第2章 都道府県などの支援組織
第3章 保護のいろいろ
第4章 保護命令手続