1978.7.16清心図書館報より
二番目に言いたいことしか 人には言えない
一番言いたいことが 言えないもどかしさに
耐えられないから 絵を書くのかもしれない 歌をうたうのかも知れない
それが言えるような気がして 人が恋しいのかも知れない
出典:『風の旅』星野富弘より
この詩は群馬県で中学校の教師をしていて、クラブ活動中の事故で、手足の自由を失い、それ以後自宅で療養生活を続けている人によって書かれたものです。この詩は、私が去年まで続けていた学級通信に二回掲載されています。一回は1985年9月11日、そして、もう一回は1986年4月16日です。普通、学級通信というと、クラスの出来事とか、連絡事項とか、学校生活に関することが多いのですが、この通信は、自分の代弁者として存在していたように思います。したがって、先の詩を二回使った理由は、著者に対する同情とか尊敬からではなく、ただその時の自分の気持ちに一番近かったから使ったという以外に理由は.無かったのです。この詩の使い方に表されるように、今までの学級通信のファイルを読み返してみると、その時の気持ちをそのまま反映しているように感じてしまいます。