「生命科学」、文字通り、生命を客観的に見つめ、探求していく学問です。医学や農学、生物学など、多くの学問が生命科学に関わっており、私の専門である獣医学もそのうちの一分野を担っています。私が学生の頃(20数年前)は、獣医学科の7~8割は、男子学生でしたが、現在ではどちらかというと女子学生の方が多くなっているということです。この傾向は、小動物臨床に携わる獣医師の数にも反映されてきており、最近では女性の開業獣医師が徐々に増えてきています。考えてみれば、これは当然のことで、今後もこの傾向は続いていくと思われます。獣医学だけでなく、他の理科系の学問でも女性の割合が徐々に増えてきているようです。性別に関係なく、興味のある人が好きな学問に自由に取り組んでいけることが、その分野の発展につながるはずです。残念ながら、いまだに女性の社会進出を妨害するようなシステムが残っている分野が多いことも事実ですが、それに屈することなく、自分が興味のある道を進んでいってほしいと思います。
やまね動物病院 山根辰朗