カスミサンショウウオについて
現在、岡山県にはサンショウウオ科の仲間が4種類生息していますが、カスミサンショウウオは県南部の児島半島から県北部までに最も広く分布しています。サンショウウオ科には、池や沼、湧水の水溜まり、緩やかな流れの淀みなどに産卵する止水性の種と、山地の流れの激しい渓流で産卵する流水性の種がありますが、カスミサンショウウオは西日本の代表的な止水性の種であり、岡山県では止水性の種はこの種だけです。
カスミサンショウウオは、全長は成体で7~11cm、雄(写真1)の方が雌(写真2)より体がやや大きいです。体色は暗褐色から黄褐色で、脇腹に霞のような斑点と尾の上下に黄色の縁取りがあるのが特徴ですが、地域による個体差が大きく、特徴の現れていないものもいます。県南部の標高300m以下の低地に棲むものと、標高600~1000mの県北部の高地に棲むもの(写真3:高地型)で、外部形態や卵嚢に違いがあるようです。
写真1.繁殖期の雄(岡山市)
写真2.産卵前の雌(佐伯町)
写真3.高地型のカスミサンショウウオ(上斎原村)