4.プロジェクトについて
プロジェクトは1995年7月3日に将来の本校の姿を考えていくために立案され、誕生した。検討期間は2年間であった。プロジェクトでは、まず「建学の精神」について考えることから出発した。「建学の精神」について、各自が集めた資料をもとに発表した。次に、「過去10年の教育活動の見直し」として、プロジェクトチームの構成員が校務分掌の代表という立場であることから、「生徒会活動・生徒指導」、「入試・広報」、「進路」「行事・宗教教育」に分担して、各分野の資料を収集し、整理していった。1995年9月から10月にかけては、他校の状況を見るために、手分けして新設校、伝統校、私立校などいろいろな学校の文化祭に行った。仕事ではあるが、楽しみながら取り組んでいたと記憶している。アンケートは、このような過程で得た資料をもとにして内容を検討した。アンケート結果の分析をしながら、2年目に、具体的な将来の教育を討議した。そして、最終的に1997年8月29日の研修会で結果報告をした。以下は研修会の討議の結果をふまえてまとめたものである。
①どんな学校を目指すのか?
学力養成と人間教育の両方を目指す。ここでいう学力とは、受験のためだけでなく自己実現のための幅広いく学ぶ力を指すものであり、生涯学習につながるものである。人間教育とは、キリスト教精神に基づいて、たくましく生き抜く力を育てることである。大学合格者数のみを競う受験校は目指さないとした。
② これからまず早急な着手が必要なのは何か。
教育課程である。教育課程では、週5日制に伴う単位数の削減に対して、新しい教育課程をどのように組んでいくか問題になる。具体的には、今までの選択科目の内容を再検討し、削除する内容と新しく盛り込むべき内容を検討していく必要である。魅力となる教育過程の創造が必要であるとした。
※1998年度から、高校1年生で「国際情報」、1999年度の高校2年生で「発展科目」という新しい授業が設定されている。
※「国際情報」及び「発展科目」を盛り込んだ教育課程の取り組みは、平成10年度特色教育振興モデル事業として認められ、助成を受けている。
③ 教育環境を充実していかなければならない。
中学校受験者数の増加と高校受験者数の減少の関係を単純にとらえて、中学校のクラス数を増やす決定がにあった。最終的には実施にいたらなかったが、このとき、プロジェクトチームでも、議題にあげ、「特別教室などの教育施設の不備」「県外通学生が多さ」「受験者数の推移の把握と予測の検討の必要」などの問題点を指摘し、現段階では無理であるとした。このときに取り上げられた問題は現在も改善されていない。具体的に「クラス定員40名以下」、「特別教室の整備」、「教員の研修制度の充実」、「生徒用パソコンの導入」について前向きに検討する必要があるとした。
※ 高校に1998年度にパソコン教室2教室が整備され、生徒用48台が導入されている。
③ その他に対応した方がいい具体的問題とは何か。
「修学旅行・海外研修」と「制服」の問題である。修学旅行については、現在の修学旅行には不満もあるので、より充実した内容に変更する時期にきている。また、海外研修については、魅力を感じている生徒も多く、さらに充実させる方向で考えて欲しいとした。また、制服については、教員も生徒も不満感が強く、早急な検討が必要であるとした。
※ 制服については、制服検討委員会が組織され、現在検討中である。
※ 修学旅行については、1999年度高校2年生から、沖縄への研修旅行(「戦争・平和」、「歴史・文化」、「自然・環境」の3コース)実施が決定している。