• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

Due to ethical concerns, it is becoming more and more difficult to use wild animals, including wild amphibians,for scientific experiments. This situation encouraged me to develop a reliable method for captive breeding of the salamander Hynobius nebulous, a method which enables the study of individuals from aquarium origin only. This novel technique may be applied also to the breeding of closely related Urodela species. Since the designation of my high school as a Super Science High school (SSH) in 2006, all Life Science Course students compulsorily came to work on salamanders under my supervision. We eventually succeeded in performing both artificial insemination and natural breeding in water tanks. Through the process of breeding and rearing salamanders and through becoming familiar with amphibians, students have gradually come to see the protection of rare species as well as ecosystems as important goals.

2019年12月28日 日本両生類研究会20周年記念誌(日本両生類研究会)p144-148
『両生類に魅せられて』カエルとサンショウウオの長期研究と最新の研究
「日常的な有尾類の飼育を学校教育に取り入れることで見えてきたもの」(秋山繁治)

はじめに
 有尾類の研究は、1989 年3 月に勤務していたノートルダム清心学園清心女子高等学校の生物教室に持ち込まれたカスミサンショウウオ(現在のセトウチサンショウウオ)の卵の飼育をきっかけに始まった。それ以降、30 年経過した今でも続いている。
 有尾類の飼育は、最初は生物部の活動であったが、今では、科目「科学課題研究」の一部に組み込まれている。それは、2006 年に当時の勤務校が文部科学省スーパーサイエンスハイスクールに採択され、「生命科学コース」を創設するとともに、科学課題研究を中心に据えた教育プログラムの導入にふみきったことに起因している。「生命科学コース」に入学した生徒は全員が生物部に所属するという設定で、有尾類の研究が「科学課題研究」のテーマの一つになっている。本報告では、環境省レッドリスト2019 絶滅危惧Ⅱ類(VU)のオオイタサンショウウオ(Hynobius dunni)を対象とした科学課題研究をどのように進めたか、そして、その教育効果はどうであったかについて紹介したい。

 野生動物を扱った研究を取り巻く状況
 実験動物は、医学などで実験材料として使う場合と、生物学でその動物自体を研究対象として使用する場合がある。前者の場合は、大量の個体が消費されるので、完全に家畜化された動物(マウスやブタなど)が使われてきた。一方、後者の場合は、研究に限定するということで、飼育動物だけでなく野外で採取した動物を使うことも特別に許されてきた。しかしながら、現在では生命倫理的な問題や野生動物保護を考える立場で、野生動物の利用に制限がかかりつつある。
 これまでの動物実験に関する倫理委員会の規定は、爬虫類以上の脊椎動物に限られてきたが、今では魚類・両生類の扱いについてもそれらの規定に準ずるようになりつつある。高等学校の科学課題研究で、魚類からDNAを採取するために鰭の一部を切り取る実験が、「動物に苦痛を与えるのは好ましくない」としてアメリカでの発表を許されなかったという例が知られている。したがって、研究目的といえども、完全に飼育された魚類(メダカ、ゼブラフィッシュ)・両生類(アフリカツメガエル)でないと、実験に使ってはいけない時代が近づいているといえる。当然、希少野生動物については、野外での捕獲さえも難しくなっている。
 両生類は、生物学史の大きな発見に実験動物として使われてきた経緯がある。シュペーマンは移植実験にスジイモリとクシイモリ、ニューコープは中胚葉誘導実験にメキシコサンショウウオを使用している。生命科学分野の研究では、アフリカツメガエル(元は妊娠検査をするという医療目的で飼育されていた)の利用が増え、さらにネッタイツメガエルやイベリアトゲイモリの利用が新規に広がっている。しかし、サンショウウオ科では、飼育・繁殖が困難ということで、生命科学分野の研究にこれまで実験動物として使われたことが少ない。
 希少種の保全のみならず比較再生学などの隆盛により、完全飼育法の確立が望まれている今、野生動物を実験に使うためには、"家畜化"(完全飼育下での繁殖方法の確立)が必要だということになる。これまで飼育・繁殖が難しいとされてきた種では、その種の飼育方法を確立しなければ、研究を進展させることができなくなってしまうということになる。これまで手をつけられなかった種の飼育方法を確立することは、今後の生物学研究の進展に不可欠な条件となりつつある。
 そこで、科学課題研究のテーマとして、サンショウウオ科サンショウウオ属のオオイタサンショウウオの完全飼育下での繁殖方法の確立を目指した。社会的な背景には、以下のようなことがある。
①研究目的といえども、野外から採取した個体を使うことが許される時代ではなくなっている。
②生活史が似た近縁な種であれば、その繁殖技術を水平展開できる可能性が高いので、希少種の絶滅に歯止めをかける技術になりうる。
③動物園や水族館の啓蒙的な展示で、自然保護の保全に対する意識が浸透し、希少種として有尾類の展示がされるようになっている。

 オオイタサンショウウオの繁殖方法の確立 
 繁殖実験のためには、データが取れるレベルまでの個体数を増やす必要がある。野外から採取した個体は使わず、すべて卵から成熟するまで飼育した個体を用いたので、長い年月を要した。
 成熟に要する年数も定かではなく、環境省自然保護局発行の『Red Data Book 2014 日本の絶滅のおそれのある野生生物③爬虫類・両生類(環境省編)』のオオイタサンショウウオのページの記載は「繁殖個体の平均年齢は不明であるが、飼育下では3 年で性成熟した例がある」だけであった。これまでデータが取れるレベルまで個体数を増やした研究は行われていなかったということになる。
 完全な飼育下での繁殖方法を確立するに至るには多くの問題が浮上した。その問題をその時々の生徒が研究テーマとして取り組んできた。「何を餌にするのか」、「どんな容器で飼育するのか」、「飼育密度と共食いの頻度は関係するのか」、「餌はどのくらい与えるのか」、「成熟したことをどのように確かめるのか」、「性成熟するまでどのくらいかかるのか」、「繁殖行動を誘発するにはどうするか」など手探りの状態で研究をすすめた。

【1】方法
 完全な飼育下での繁殖方法を確立するためには、〔1〕受精方法、〔2〕成熟個体になるまで安全に飼育する方法を確立する必要がある。
〔1〕の受精方法については、親個体を殺さないで行える方法として、(ⅰ)人工授精、(ⅱ)飼育ケース内での自然産卵の2つの方法を試みた。また、〔2〕の飼育方法では、生育についての基本的な知見が必要なので、(ⅰ)幼生の飼育条件、(ⅱ)発生段階、(ⅲ)性成熟を調べた。

【2】結果
 〔1〕の(ⅰ)で、卵嚢採取後、100 時間以上経過しても人工授精が可能であること、(ⅱ)で、配偶行動を誘発することによって、水槽内の自然産卵でも受精卵を得ることができることを確認した。
 〔2〕の(ⅰ)で、幼生の飼育での最適条件を解明し、(ⅱ)で、すでに記載されているクロサンショウウオの成長段階と比較して相違点を見つけることができた。(ⅲ)で、性成熟に3 年を要するという定説(環境省レッドデータブックの記載)に対して、飼育下で性成熟の経年変化を調べ、2 年目から受精可能になる個体が出現することを確認した。

オオイタサンショウウオ成体からの採卵.JPG

採取した卵嚢を使った人工授精

水槽内での産卵.JPG
水槽内での自然繁殖

【3】展望
 日本に現存しているサンショウウオ科44種のうち37種がサンショウウオ属(Hynobius)なので(日本爬虫両棲類学会, 2019 年11月7日版日本産爬虫両生類標準和名リスト)、今回の開発したオオイタサンショウウオについての繁殖技術は、この種だけでなく近縁の種の繁殖にも生かせる可能性が高いと考えられる。

学校での動物飼育について
 生命科学コースでは、入学して1 年間は全員が放課後日常的に有尾類の世話をすることになっている。有尾類の飼育に関わってからの変化を生徒へのアンケートから分析すると、飼育を経験することによって、「気持ち悪い」という気持ちが減り(80% → 16%)、「可愛い」と思うようになり(31% → 77%)、希少種の重要さや、環境保護について考えることについては、図3のグラフのような結果を得ている。
 生徒に動物飼育に関わらせて感じることは、ペットを可愛がることはあっても、学校で責任をもって動物の飼育を任された経験をほとんどもっていないことである。小学校では、動物との関わりから生命の尊さを学ぶ目的で動物が飼われているという話はよく耳にする。学習指導要領でも、生活科で動物飼育が設定されている。しかしなぜ学校での動物の飼育経験がないのか疑問に思い、調査することにした。

飼育についてのアンケート.png

 生命科学コースの生徒に、出身小学校を訪問して調査レポートの作成を宿題として課した。そのレポートから「生徒たちに飼育動物との思い出が非常に少ない」ことを再認識した。そして、次の段階として、今の小学校の「学校飼育動物」の現状を知るために、生命科学コースの生徒の研究として、2008 年に岡山県内の小学校にアンケート調査(360 校、回収率83%)を実施した。
 この調査でわかったことは、一番多く飼われているウサギの飼育状況をみると、ウサギの雌雄が区別できない学校が54%、雌雄混合飼育が65%、雄の非去勢手術率が91%であった。飼育数が40 羽の学校もあった。ウサギは繁殖力が旺盛で、雄はなわばりをもつという特徴に配慮する必要があるが、雌雄を区別できない学校が多く、避妊しないで雌雄を混在させて飼っている現状がわかった。教師の理解が不十分な状態で動物が飼育されており、生徒の飼育への参加も少なく、有効な教材として生かし切れていない状況が判明した。
 2013 年度版『子ども・若者白書』で「近年、子どもの体験活動の場や機会の減少が指摘されている。例えば自然体験活動についてみると、学校以外の公的機関や民間団体が行う自然体験活動への小学生の参加率は、どの学年でもおおむね低下しており、小中学生の中で自然体験をほとんどしたことがない者が全般的に増加している」とある。自然観察や動物飼育などの自然体験を意図的に学校教育の中で増やす工夫が必要な時代が到来している。
有尾類の研究に取り組んだ生徒は、高校生になって初めて日常的な学校での動物飼育を体験し、動物を身近に感じることができたということになる。

 最後に
 オオイタサンショウウオを扱うようになったきっかけは、2007 年7 月から環境省自然保護局希少野生動植物保護推進員として活動して、福岡県、大分県の両生類の生息調査に関わったことがきっかけになっている。大規模な住宅造成工事などで生息環境を失い、限られた場所にかろうじて生き残った個体を保護しても手だてがなく、移植して別の場所で生きる可能性にかけるしかないような状況を目の当たりして、「希少野生生物であるサンショウウオの保護には、生息する自然環境の保全だけでなく、その繁殖生態をよく知り、絶滅に瀕した際の手段として人工的な飼育下での繁殖方法も確立しておく必要がある」と判断したからである。これまで継続してきた飼育経験が原点となって、生徒の科学課題研究への取り組みや有尾類の教材開発が進み、生徒の研究と別に自分自身のテーマとしてすすめてきたアカハライモリの貯精嚢の研究もまとめることができたと考えている。
 
【参考文献】
秋山繁治. 1992. 孵化後実験室内で飼育し産卵したカスミサンショウウオ. 両生爬虫類研究会誌. 41:1-5.
秋山繁治. 1997. 有尾類の教材化について・環境に目を向ける教材としての利用. 岡山県高等学校教育研究会理科部会会誌. 7: 20-28.
秋山繁治. 2005. 有尾類の教材化について(2)『胚の発生』の授業展開. 岡山県高等学校教育研究会理科部会会誌. 55: 26-33.
秋山繁治. 2007. 有尾類の飼育下での繁殖. 岡山県高等学校教育研究会理科部会会誌. 57: 16-19.
秋山繁治. 2009. 女子校で有尾類と付き合って20 年.生物工学会誌. 87(2): 110.
秋山繁治. 2009. 実際に『触れること』が科学的思考を育てる. 理科の教育(日本理科教育学会).58(12)(通巻689 号): 22-25.
秋山繁治. 2013. SSH 指定から七年、その成果と課題.日本私立大学連盟大学時報. 352: 44-51.
秋山繁治. 2015. 授業における有尾類の活用について. 数研出版サイエンスネット. 54: 14-15.
秋山繁治.2017.30 年の性教育の実践・学級通信から授業「生命」、女子生徒の理系進学支援へ.10 周年記念誌「性について、語る、学ぶ、考える」(関西性教育研修セミナー実行委員会):78-81.
秋山繁治.2018.科学課題研究を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発.第66回読売教育賞最優秀賞論文集(読売新聞社):1-17.
秋山繁治.2020.有尾類の仲間アカハライモリの教材化・生命現象に感動を起こす教材.生物の科学 遺伝.74(1):101-107
秋山繁治・田中福人. 2008. 清心女子高等学校 生物部の歩み. 生物工学会誌. 86(8): 415-416.
Akiyama. S., Y. Iwao and I. Miura. 2011. Evidence for True Fall-mating in Japanese Newts Cynops pyrrhogaster. Zoological Science. 28:. 758-763.
鈴木美有紀・秋山繁治.2010.岡山県下の小学校での学校飼育動物の現状.動物飼育と教育(全国学校飼育動物研究会). 12: 3-10.


  • 投稿者 akiyama : 09:40
九州両生爬虫類研究会第15回長崎大会で口頭発表
九州両生爬虫類研究会の長崎大会が科学総合科学大学附属高等学校で開催されました。これまでは、高校生の発表はポスター発表だけだったので、高校1年生にとっては初めての口頭発表になりました。広島大学から提供していただいている新規モデル生物を使って進めてきたこれまでの研究を「イベリアトゲイモリの飼育と観察」というタイトルで発表させていただきました。これまで研究者中心の発表会でしたが、今回は高校生の参加が4件…続きを見る
朝日中高生新聞「最高峰の自由研究」に掲載
以下は、朝日新聞の記者のインタビューから引用です。 ●どんな研究をしたの?  アカハライモリの繁殖期とされていた時期とは異なる、「秋から初夏」という考えに着目し、「なぜ秋から配偶行動を取り始めるの か」という疑問をもとに、研究を始めました。その結果、多くのイモリ属は冬からを繁殖期としているところ、アカハライモリは世界分布で北限の日本の冬に適応するために秋の配偶行動を身につけたということがわかり、…続きを見る
両生類研究センターでイベリアトゲイモリの実験実習
2月2日から4日までの3日間、広島大学両生類研究センターで、山脇有尾類研究所でイベリアトゲイモリを対象にした研究に取り組んでいる高校が大学院生の指導で実習に取り組みました。1日目は研究飼育施設の見学、ホルモン注射、2日目は採卵、人工授精、受精卵からの発生の観察、3日目は、卵へのマイクロピペットを使ってのインジェクション等を体験しました。研究に必要な知識と技術を学ぶことができました。本校では、現在飼…続きを見る
環境大臣賞受賞の岐阜県立大垣北高校生物部が訪問
11月4日に山脇有尾類研究所が主催した高校生両生類サミットで、岐阜県立大垣北高校にはオオサンショウウオの保護活動とマホロバサンショウウオの分布の拡大について発表していただきました。 その研究成果が認められて、全国野生生物保護活動発表大会の環境大臣賞を受賞され、11月27日の表彰式に来られ、東京にせっかく機会を生かして、山脇学園高校の生徒と交流しました。 山脇有尾類研究所では、現在飼育しているイベリ…続きを見る
第5回 高校生両生類サミットWeb交流会(文科省SSH事業)
目的: ①両生類をテーマにした高校生の科学研究を支援し、特に女性研究者の養成に貢献する。 ②ZOOMを使った高校生の科学研究の成果発表を通して、地域を超えた研究交流を行い、生徒間の友好・仲間意識を深め、全国の両生類研究のネットワークの拡充を図る。 ③講義とアドバイスを通して、大学や研究所の研究者に将来のロールモデルとしての役割を果たしていただく。 ④研究テーマを両生類に絞ることで、深い内容まで踏み…続きを見る
清真学園高等学校の1年生が山脇有尾類研究所で研修
 10月4日に清真学園高等学校1年生が山脇有尾類研究所に研修に来られました。茨城県で最も長く文科省SSH事業(4期3年目)に取り組んでいる学校です。  秋山繁治所長による「イモリの研究」の講義と清真学園の生徒さんとの研究に関する質疑応答換、本校3年生による研究の発表、イモリ・サンショウウオを使用した実験体験と生徒同士の研究の意見交換などが行われました。本校の生徒にとっても他校の皆さんと十分な時間を…続きを見る
ハマヤクサイエンス研究会の学術発表会で「サイエンス学びラボ賞」受賞
8月24日にハマヤクサイエンス研究会の第3回学術発表会が開催されました。高校生の59件のポスター発表がありました。最優秀賞1件、協力団体各賞3件、優秀賞9件が表彰されました。生徒の科学研究のためのオープン・ラボを提供している山脇有尾類研究所から、指導している広尾学園高等学校の生徒1名が参加ました。絶滅危惧Ⅱ類のオオイタサンショウウオの研究の基礎資料となる発生段階を完成させ、Developmenta…続きを見る
山脇有尾類研究所で科学研究の中間発表を実施
昨年9月に山脇有尾類研究所を学校内に立ち上げたので、中高生がオープンラボとして利用して、サンショウウオやイモリなどの有尾両生類を中心にした研究テーマに取り組んできました。これから研究成果の発表会が多いので、これまでの研究成果をまとめるための 中間発表会を夏休み前に開催しました。繁殖生態の解明や発生段階の作成、新規モデル生物であるイベリアトゲイモリの卵からの安全な飼育方法の開発などの内容で発表しても…続きを見る
サンショウウオが棲めるビオトープ計画チームが幼生飼育を開始
トウキョウサンショウウオの卵嚢を採取して飼育し、6月に生徒が現地を訪問して放流しましたが。現在、学校内にサンショウウオが生息し、繁殖できるビオトープの造成を目指して、全体の構想を考えている段階です。まず、室内で幼生を成熟個体まで無事に継続して飼育できるようになることを目指して、実験を始めました。一人5匹ずつ担当して、育てています。完全に飼育下で繁殖できる技術を確立することで、繁殖生態の解明が進める…続きを見る
Pedagogical Insights Gained through Rearing Salamanders at School
Due to ethical concerns, it is becoming more and more difficult to use wild animals, including wild amphibians, for scientific experiments. This situation encouraged me to develop a reliable method …続きを見る
日常的な有尾類の飼育を学校教育に取り入れることで見えてきたもの
はじめに  有尾類の研究は、1989 年3 月に勤務していたノートルダム清心学園清心女子高等学校の生物教室に持ち込まれたカスミサンショウウオ(現在のセトウチサンショウウオ)の卵の飼育をきっかけに始まった。それ以降、30 年経過した今でも続いている。  有尾類の飼育は、最初は生物部の活動であったが、今では、科目「科学課題研究」の一部に組み込まれている。それは、2006 年に文部科学省スーパーサイエ…続きを見る
ミクロトームの使い方を指導
顕微鏡で動物組織の細胞の状態を観察するために、動物組織を薄く切って張り付けたプレパラート(標本プレパラート)を作成する必要があります。 大学の研究室や病院の病理検査室には、組織観察用のプレパラートを作成するための機器(ミクロトーム)があります。有尾研でも、生殖器官の年変化などを調べるために標本プレパラートを作成します。 今日は、これまでミクロトームの使って標本を作成した経験のある高校3年生が、下級…続きを見る
山脇学園 第1回SSH運営指導委員会
2024年度に新たに採択され、いよいよ山脇学園中学校高等学校のSSH事業への本格的な取り組みが始まりました。第1期5年間のSSH事業の目的と目標は以下の内容です。 (1) 目的 日本と世界に貢献する「志」を持ち、総合知を活用して科学分野の課題探究活動に主体的に取り組む女性科学技術人材を育成する6カ年の中高一貫教育課程「Integrated Science Program(統合科学プログラム;以下I…続きを見る
トウキョウサンショウウオの保護に取り組むビオトープを訪問
八王子市にある川口ビオトープで3月にトウキョウサンショウウオの卵嚢を採取させていただき、実験室で孵化させた後、餌やりをして成長させた幼生を現地に放流しました。目的は、サンショウウオの保護に貢献することと、校内にサンショウウオが生息できるビオトープの造成を進めているので、その生態を知ることです。ビオトープの概要を聞き、動植物、土壌、湿地の観察も行いました。7月には放流後の生態を観察するために再訪問す…続きを見る
岡山市で「オオきいサンショウオと小さいサンショウウオ」展が開催中
岡山市の人と科学の未来館・サンピアで、春季企画展として「オオきいサンショウオと小さいサンショウウオ」展が4月27日~6月16日の期間、開催されています。 オオサンショウウオの展示 日本の在来種は天然記念物ですが、中国との交雑種は今夏から特定外来生物に指定される「オオサンショウウオ」。サイピアで飼育展示しているのは、中国との交雑種です。 日本の小型サンショウウオの紹介 オオサンショウウオの実物は見た…続きを見る
How was the breeding ecology of Japanese newts (<i>Cynops</i>) acquired ?
以下は、2024年8月1日の広島大学で開催されるSalamander Meetingでの発表要旨です。 Cynops is a genus of newts, with 11 species living in China and 2 species in Japan. In Japan, the red-bellied newts (Cynops Pyrrhogaster), and the …続きを見る
栃木市でのトウキョウサンショウウオの産卵調査
栃木県栃木市で、県立佐野高校の生徒が中心に行っているトウキョウサンショウウオの産卵調査に同行した。 4月に入っても、多くの卵嚢を確認することができた。 …続きを見る
県立佐野高校のトウキョウサンショウウオ保全活動
全国的にサンショウウオの仲間は、土地の改変等の人間の活動による自然環境の変化の影響を受けて、生息場所を失いつつある。 栃木県立佐野高校では、トウキョウサンショウウオの生息場所を守る保全活動を継続して行っている。 …続きを見る
学校法人山脇学園 動物実験規程
(目的) 第1条 この規程は、学校法人山脇学園(以下、本学という。)および山脇有尾類研究所(以下、研究所という。)における実験動物等を適正に行うために、関連法令に則り動物実験委員会の設置、動物実験計画の承認手続き等の必要な事項を定めるもととする。 (定義) 第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1) 「動物実験等」とは、第5 号に規定す…続きを見る
1  2  3  4  5  6

このページの先頭へ