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8月7日、8日にSSH生徒研究発表会に学校代表として、高校1年から取り組んできた研究活動の集大成としてポスター発表に参加してきました。研究題目は、「日本のイモリ属(Cynops)の繁殖生態はどのように獲得されたか?」で、"イモリ属の繁殖生態は「配偶行動を取ってから連続して産卵する」のが基本であり、日本に生息するアカハライモリはイモリ属の分布の北限の種で、低温期(冬)があるという条件への環境適応として今の繁殖生態を獲得した"という結論に辿り着きました。

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  • 投稿者 akiyama : 16:51
両生類研究の国際会議SalamanderMeeting2024で研究成果を発表
両生類研究の国際ミーティングは2年に1回で、前回はコロナ禍でトルコのIstanbul Medipol Universityで開催されましたが、今年の会場は日本で、国内唯一の両生類研究施設「両生類研究センター」のある広島大学の学士会館でした。実施要項を拝見して、高校生でも発表してもいいかを関係者に問い合わせさせていただいたところ、快く認めていただきました。口頭発表・ポスター発表ともすべて英語で、高…続きを見る
How was the breeding ecology of Japanese newts (Cynops) acquired ?
7月31日~8月2日まで、広島大学で Salamander Meeting 2024 が開催されます。山脇有尾類研究所でイモリ属の繁殖生態について研究している生徒がポスター発表(P-16)させていただきます。 Title How was the breeding ecology of Japanese newts (Cynops) acquired ? Cynops is a genus of…続きを見る
How was the breeding ecology of Japanese newts (<i>Cynops</i>) acquired ?
以下は、2024年8月1日の広島大学で開催されるSalamander Meetingでの発表要旨です。 Cynops is a genus of newts, with 11 species living in China and 2 species in Japan. In Japan, the red-bellied newts (Cynops Pyrrhogaster), and the …続きを見る
『はっけん!イモリ』発行
2022年8月1日に、日本のいきものビジュアルガイドの一冊として、緑書房から『はっけん!イモリ』が発行されます。写真は関慎太郎さんの撮影で、楽しい画像がいっぱい掲載されているので、楽しむことができます。 P140から144の「自由研究のすすめ①」で、「よく観察し、わいてくる疑問を大切にしよう」のページを執筆させていただきました。 …続きを見る
雪花が散る林でオオイタサンショウウオの産卵を観察
 2009年1月24日、九州はその年一番の寒波。大分県国東市での野外調査。午前10時、山際を散策していると林の中に水田跡の湿地があった。残雪の静かな林の中で、溜りの水面が波打っているのが見えた。近寄るとオオイタサンショウウオが群がって産卵をしている最中であった。これまで両生類は雨が降って、気温が上がったときに産卵する(洲脇,1978)と考えられていたので、サンショウウオの仲間が雪花舞う日中に産卵行…続きを見る
『生物の科学遺伝』9月号に「最も身近な有尾類アカハライモリの生態を探る」を執筆
同僚の先生が庭で採取したバナナ状の卵嚢一対を生物教室に持ち込んだのは,1989年3月のことだった。図鑑で調べた結果この卵嚢は、カスミサンショウウオ(2019年にセトウチサンショウウオとして記載)のものであるということが判明した。孵化後、無事に成長し、2年後には約10cm 程度に成長し、生物教室の水槽の中で産卵した。この水槽の中の様子に生徒も興味を持ち始めた。そこで、様々な有尾類を飼育しながら、発生…続きを見る
イモリ属の北限に生きるアカハライモリの繁殖戦略
アカハライモリは、これまで春から初夏に掛けての2-3ヶ月が繁殖期であると考えられてきた。ところが、秋にも、野外でたびたびイモリの交配行動を観察し、雄の婚姻食もが現れることも確認した。これまでの記録をみると、1931年には筒井が、1961年には岩澤が同様にイモリの交配行動を秋に観察しており、岩澤と石井(1990)は精巣の重量が9月~10月に最大になること、アンドロゲンの分泌が春と秋の2度、ピークに達…続きを見る
アカハライモリを教材として利用 ⑦まとめ
発生教材として、カエルの仲間がよく用いられるが、受精率と胚の観察のしやすさでは、イモリの方が優れていると考えられる。ヒトなどの哺乳類の初期発生は体内で進み、ニワトリなどの鳥類の発生は輸卵管と卵殻中で行われるのでたやすく観察できない。それに対して、イモリなどの両生類は、受精から孵化までの過程が、透明なゼリー中で進むので、初期発生からすべての段階を観察できる。受精卵の縛り方によって双頭の幼生や別々に分…続きを見る
アカハライモリを使った発生の観察 ⑥生徒へのアンケート
 生徒の自己評価をみると、「卵割からいろいろな器官に分化する過程が理解できた」、「発生の仕組みに興味をもった」がともに86%であり、学習の動機づけにはなったようだ。一方、技術的には、「実体顕微鏡の操作が身についた」が81%、卵の結紮は、「うまく縛れた」が62%と少なかった。しかしながら、生徒の感想に「今まで映像で見てきたイモリの胚を実際に見て,映像や写真通りに卵割の形が見られて,とても面白かった」…続きを見る
アカハライモリを教材として利用 ⑤授業の展開
授業は、①アカハライモリの特徴及び生態の理解(ビデオ教材を利用)、②初期胚の観察及びスケッチ、③各発生過程の理解(ビデオ教材を利用)、④胚の結紮実験の順に進めた。 ①については、雌雄の区別、春の繁殖期と冬の越冬期の野外での様子と繁殖行動を紹介した。積雪下の水田側溝で多数のイモリが群れているシーンや、配偶行動(配偶行動の後,雌が雄の産み落とした精包を貯精嚢に取り込む)を見て、貯精の仕組みや受精のさせ…続きを見る
アカハライモリを使った発生の観察 ④実験の準備
 産卵は、前述のゴナトロピン注射による産卵誘発でおこなった。繁殖期のイモリは貯精嚢(総排出腔付近の各細管)に精子を保持(貯精後6カ月以上受精可能)し、産卵時に体内で受精させる仕組みになっている。産卵時を発生のスタート(受精時)と考えて観察することができる。したがって、生徒に初期胚を観察させるには、第一卵割までに要する時間をさかのぼった時刻に産卵するように注射をしておけばよい。  注射したイモリを入…続きを見る
アカハライモリを教材として利用 ③アカハライモリを使った初期発生の観察
教材はアカハライモリを用いた。アカハライモリは、北海道・沖縄を除く広い範囲に分布し、比較的容易に入手できる代表的な有尾類の種である。「イモリ」という名は、「井守」と書くが、「井」が「井戸」や「水田」を表すことから、「井戸を守る」「水田を守る」を意味するといわれるように、池や水田側溝、小川のゆるやかな流れ、山地の湿地などに生息している。 体外受精で、透明なゼリーの中で孵化まで成長するので、各器官が形…続きを見る
アカハライモリを教材として利用 ②生物の発生過程を学ぶことが大切
小学校の実践で「一つの選ばれた精子が卵子(生物学では卵)と受精できる」という擬人的な表現をして、生命の尊厳を教える指導がよくなされている。実際、前述の中学校の教科書の「たった1つの精子だけが」という記載に、「選ばれた精子」というイメージを付随していることを感じる。私はまず、生命現象をきちんと科学的に理解させることが理科では重要だと考えている。高校では、生物の発生(受精卵から成体になる過程)の教材と…続きを見る
アカハライモリを教材として利用 ①はじめに
高校1年生の生物で「生殖と発生」を教える中で、「ヒトの受精はどこで起こるか」と生徒に質問したら、正解したのは29%だった。女性である生徒にとって自分の身体のことでもあるので、知っているだろうと期待していたが、そうではなかった。正解した生徒に情報源を聞くと、中学校の保健体育という答えが返ってきた。さっそく、中学校の保健体育の教科書を借りて調べてみると、「膣内に一度に射精される精子の量は、ふつう2~4…続きを見る
岡山県北部でアカハライモリ調査
もう20年以上アハハらイモリの調査に通っている岡山県北部の水田に出かけた。今回は、1年半前に退職した清心女子高校生命科学コースでアカハライモリのクローン作製目指しているグループの生徒が同行した。実験材料として使っているアカハライモリが自然の中でどのように生きているのか観察してもらうためだ。この季節の県北は新緑に包まれていて、それを眺めながらの調査は気持ちがいい。 …続きを見る
宮崎県でアカハライモリ探し
宮崎県の公立高校の先生方にSSH事業と課題研究の進め方について話させていただく機会をいただいたので、そのついで、先生方と宮崎県のアカハライモリの調査で出かけた。一日しか調査できなかったが、先生方に協力していただいて、この時期でもイモリを採取できる生息地を3箇所みつけることができた。 …続きを見る
岡山県北部でイモリ探し
連休は草刈りの作業でつぶれて、やっと県北にイモリを観察するために向かった。県南では木々は青々としているが、県北の森は5月中旬でも新緑であった。水田には苗が植えてあったが、イモリの姿は発見できず、湧水が流れ込みがある場所でやっと捕獲することができた。 …続きを見る
県北の積雪前にイモリの調査
寒波が来て、明後日は県北では積雪という天気予報で、イモリの調査に出かけました。イモリの姿はほとんど見られませんでしたが、なんとか雄5匹、雌5匹を採取できました。 …続きを見る

ICB2015 Poster Session

2015年11月17日

ICB2015 Poster Session
ポスター発表には、3題(カメ、イモリ、森林)を申し込んだ。一人の研究というより、これまで継続して長い期間をかけて取り組んできた成果をまとめての発表ということになる。生物多様性に関連したテーマを設定した。 …続きを見る
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