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NHK『ハンナ・アーレント・全体主義の起原』仲正昌樹より

2017年11月22日

2017-img115.jpg
 p107-108より抜粋
 私たちは日々、いろいろなことを考えています。しかし、本当に「考える」ことができているでしょうか。実は既成観念の堂々めぐりを「無思想に」処理しているだけではないでしょうか。
 例えば、インターネット上には、様々な意見や主張が飛び交っているように見えます。検索すれば「多様な意見や考え方に触れることができる」と思うかもしれませんが、実際には自分と同じような意見、自分が安心できる意見ばかりを取り出して、「やはり」「みんな」そう考えているのだ、と安心して終わっていることが多いのではないでしょうか。
 なぜそういうことになるかというと、一つには、そもそも異なる意見、複数の意見を受け止めるというのは、実際は非常に難しいことだからです。職場や学校で議論していても、基本的に人は自分が聞きたい話を聞いているだけで、他人の話を聞いているわけではありません。異論や反論に耐えるということに慣れていないため、聞かないことで自己防御しているのです。
 自分と同じような意見を求めてしまうもう一つの原因は、それが「分かりやすい」ということです。深く考えなくても、分かった気になって安心できるからです。『全体主義の起原』第三巻が指摘していたように、これはまさに全体主義的世界観を支持した「大衆」の心理にほかなりません。

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