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吸うよりも吐くことを意識する

2016年4月19日

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日野原重明先生の言葉より 

 私はいま呼吸法にとても関心をもっています。現代人は心身のストレスのせいで呼吸がことのほか浅くなっていますから、みなさんにぜひ深呼吸をお勧めします。かつてラジオ体操で覚えた、あの深呼吸のフォームは必要ありません。有効なのは静かな腹式呼吸で、重点は呼息(息を吐くこと)にあります。
 フーツと息を吐いて、吐いて、肺のなかを空っぽにするのがコツです。息を吐き切ってしまえば、胸郭は真空状態に近くなりますから、吐くことをやめたとたん、空気がたちまち胸のなかに流れ込んできます。十分に吐き出さないうちに胸いっぱいに空気を吸おうとしても、無理なのです。

 お釈迦さまが弟子たちに伝授された「二段呼吸」という呼吸法も、息を吐いて、止めて、さらに吐くものだったといいます。十分に吐くことが、健康によい呼吸なのです。
 からだによい呼吸法は、そのまま、よい生きかたに置き換えられるように思います。自分がもらうことばかりを優先して、他人に対して出し惜しみをしていると、心は満たされるどころかしなびてきます。
 欲が欲を生んで、願望に際限はなく、つねに不満がつきまといます。願望というのは往々にして望んでも得られないのが世のならい。私ほどの年齢になると、つくづくよくわかります。
 ハァーと大きなため息をついて空気を吐き出すと、からだにいい。同じように、心の健康のためには、自分の能力を他人のために存分に使うことが一番なのです。

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