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科学分野の課題研究に取り組むことで生徒の適性を引き出す

2014年2月 9日

 課題研究の指導をすると、生徒が科学研究を本当に好きかどうかがよくわかる。そして、前向きにまじめに取り組んだほとんどの生徒は、本人が納得した進路に進んでいく。課題研究の指導で最も大切なのは、本当に好きなことを見つけさせて、実感させることだと考えている。持たないものを引き出すことはできないが、もともと心の底にあった気持ちを引き出すことはできる。
 世界基準で日本では理系女性が著しく少ないことは事実である。その原因は遺伝的な素質なのだろうか。しかし日本だけが生物学的差がある集団から構成されているとは考えにくい。これまでの女性を取り囲む学校教育を中心にした社会状況に原因があるのではないだろうか。潜在的な才能があっても、他人のものさしで将来を決めてしまう生徒が多いとすれば、それは本人にとっても社会にとっても悲劇である。学校生活の早い時期に本来の自分を見つけさせたいと思う。本校の女子生徒への理系進学支援は、本来理系進学するはずの生徒が、自分の才能に気づかないままに将来を決めるのではなく、自分の本来持った適性に気づかせ、それを伸ばすことだ。
 スポーツ系の部活動では、練習に時間が奪われて学習に向かう体力も時間もなくなるので、勉学に支障をきたさないように「部活ばかりしないで、少しは勉強しなさい」という苦言を呈する保護者や担任が多いと思う。それと同じように、「課題研究ばかりしないで、勉強しなさい」と考えている保護者や教員も結構多いと感じている。その方々に「課題研究が勉強の邪魔になると考えて、課題研究に手を抜く生徒が理系に進むことに向くと思いますか」と質問したい。日本の科学技術は、コツコツと実験や(関連)資料集めをすることを生きがいと考えるような研究者や技術者によって進歩してきたことを再認識してほしい。決して「ほどほどでいい」と考える科学技術者によって支えられたのではない。
 SSHの最初の「S」は、スーパーマーケットの「スーパー」なのか、卓越したという意味の「スーパー」なのかどちらだろうか。私自身は、SSHは活躍できる科学技術者を育てる教育プログラムであって、「ほどほどでいい」取り組みではないと考えている。科学技術者として生きていくためには、好きでないと乗り越えられないような苦境もあるのが現実なのである。

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「生命科学基礎」の実習

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「生命科学課題研究」で実験

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「女子生徒による研究発表交流会」で発表


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