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第54回日本学生科学賞 中央審査に発生生物学グループが論文提出

2010年11月 3日

岡山県審査を通過後、中央審査へ提出する論文を校正を加えて提出した(提出期限は11月5日)。COP10が日本で開かれた年に、私たちが「森林の多様性と二酸化炭素吸収量(地球温暖化防止における森林の役割)」と題した研究をまとめたことは偶然だが、地球環境問題に重要なメッセージを伝える機会を与えていただいたと感じている。以下は、最後の記した「まとめと今後の課題」の本文である。

 今回の研究で得られたデータから、私たちの排出する二酸化炭素量は、森林の吸収できる二酸化炭素量をはるかに超えていることを再確認した。森林を天然林と人工林に分けて比較すると、天然林の方が人工林よりも二酸化炭素吸収量が多かった。天然林は樹高が多様であるため、光や空間を効率的に利用し、結果として二酸化炭素吸収量が多くなると考えられる。樹木の多様性を更に考察した結果、種数、樹齢の多様性と炭素貯蔵量には正の相関が認められた。これらのことから、天然林の中でも特に、多様な樹木をもつ森林を守ることが重要だと考えられる。さらに、遷移の進んだ森林ほど炭素貯蔵量が多く、二酸化炭素吸収における極相林の重要性が示唆された。
 近年、大気中の二酸化炭素の急激な増加と生物多様性の減少が地球規模の環境問題になっているが、その解決に向けて私たちに求められているのは、二酸化炭素排出量を抑制するライフスタイルに改めることと、自然度の高い森林生態系を守っていくことである。
 今後の課題は、森林の管理と二酸化炭素吸収量の関係を明らかにすることである。日本の森林の40%を占める人工林での間伐不足などによる森林の荒廃が問題になっている。そのため、間伐などの管理の違いによって二酸化炭素吸収量がどのように変化するのかを調べる必要がある。

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樹木調査をする生命科学コースの生徒たちの姿

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