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映画『関心領域』をみて、感じたこと。

2024年5月27日

 1945年は、アメリカ軍が3月に東京を空襲(東京大空襲)(死者は約10万人)、4月に沖縄本島に上陸。8月には長崎と広島に原爆が投下された年です。アンネ・フランクも3月に亡くなっています。
 映画『関心領域』は、その時代に、アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドウィグら家族は、どこにでもある穏やかな日常があり、子どもたちの楽しげな声が聴こえてくる幸せな暮らしを描いています。彼らが幸せに暮らす家はアウシュビッツ収容所の隣にあり、その
窓から大きな建物からいつも黒い煙があがっているのが見えています。壁ひとつ隔てた収容所の存在を直接描くことはありませんが、音・声・建物からあがる煙から気配として伝わってきます。壁を隔てたふたつの世界を坦々と描いた作品です。
 庭の花に色彩があったので、カラーの映像であるはずなのに、鑑賞後に思い出す記憶はなぜかモノクロの映像になっていました。
「無関心」であることから、多くの不幸が見落とされれ、悪魔の仕業とさえおこなわれてしまう現実は、同じ人間がつくっている今の社会でも起こりうることで、表層に現れるレベルは異なっていても、個々の個人の尊厳が無自覚に壊されている現実は今も変わっていないように私は感じています。どんな時代であっても、すべての苦しみや悩みは人間関係から生じます。今の日本で、毎年東日本大震災による死者数をはるかに超える自殺者がでている現実、どの職場でも増え続けている「新型うつ病」の問題をどのように考えますか。人間存在の基本は、「生きる意味」を失うと、精神のみならず生命そのものまでもが衰弱し、ついには死に至ってしまう特性にあります。より多くの人が「生き甲斐」を実感できる社会をつくることを目指さす指針をもたなければ、情報が広範かつ迅速に交錯する社会であるがゆえに、欲望が肥大化して、より多くの不幸を生みかねないないと感じてしまします。

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