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アカハライモリを教材として利用 ⑤授業の展開

2019年9月23日

授業は、①アカハライモリの特徴及び生態の理解(ビデオ教材を利用)、②初期胚の観察及びスケッチ、③各発生過程の理解(ビデオ教材を利用)、④胚の結紮実験の順に進めた。
①については、雌雄の区別、春の繁殖期と冬の越冬期の野外での様子と繁殖行動を紹介した。積雪下の水田側溝で多数のイモリが群れているシーンや、配偶行動(配偶行動の後,雌が雄の産み落とした精包を貯精嚢に取り込む)を見て、貯精の仕組みや受精のさせ方などに興味を示した生徒が多かった。
②については、アカハライモリの卵は直径約2mmあるので、カエルの卵に比べて観察しやすい。観察には、生きた胚を用いた。発生初期に固定すると変形して細胞が変質するので、2細胞期や4細胞期は生きた細胞しか見えない。また、生きた胚はゼリー層も透明で、胚表面の細かい細胞まで見えるので固定胚の観察に比べて比較にならないほど生徒の感動は大きい。
③については、教科書や副教材の図だけ見ていると、時間的な経過が把握できないので、今回作成した"早回し"のビデオ教材を使用した。実際の時間を短縮(孵化までの24日間を15分)して編集してあるので、初期発生がいかに早く進んでいるかを体感し、各発生段階と所要時間の相対的な関係が理解できる。また、時刻が画面表示されているので、各ステージ像の観察だけでなく、それぞれの発生段階にどれくらいの時間を要するかを計算することが可能で、所要時間を計算し、数値化することによって発生過程の経過を再認識することができた。
④については、シュペーマン(1869~1941)は胚を結紮するのに毛髪を用いたが、絹糸で代用した。絹糸は3本の糸をよっているのを解して使った。糸でイモリの卵より少し大きめのループをつくり、その中央に卵をはめ込むように入れて、ピンセットで縛ればよい。授業では15分程度しかなかったので、成功したのは一割程度であった。放課後、もう一度試みた生徒が数人いたのをみると、生徒にとっては好奇心をそそる実験だったようだ。

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