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石垣りん 「定年」 (石垣りん詩集『略歴』1980年10月25日より)

2016年11月29日

退職願を提出したので、11月30日に今の職場を退職する。昔読んだ石垣りんの「定年」という詩を思い出した。正確にいうと本当の定年は2017年3月だが、僕の場合は次の職場に異動する関係で4か月前に辞めることにしたので、これで働かないということではない。あと5年くらい教員の仕事を、リセットして新しい職場で続けてみようと思う。

「定年」 石垣りん

ある日
会社がいった。
「あしたからこなくていいよ」

人間は黙っていた。
人間には人間の言葉しかなかったから。
会社の耳には
会社のことばしか通じなかったから。

人間はつぶやいた。
「そんなことって!もう40年も働いてきたんですよ」
人間の耳は
会社のことばをよく聞き分けてきたから。
会社が次にいうことばを知っていたから。
「あきらめるしかないな」
人間はボソボソつぶやいた。

たしかに
はいった時から
相手は、会社だった。
人間なんていやしなかった。

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