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八ツ塚実『大人になるということ』のあとがきより

2015年10月11日

いつか若い教師から、たずねられたことがある。
「あなたは、自動車にも乗らないで、よくも長い間、学校の教員がつとまりましたね。問題が起こったときは、どうしていたんですか」
移動力。
そういえば、現在の教育現場を支配している発想の中に、大きなウェイトを占めているのが、この機動力だ。
私はこう答えた。
「テクテク歩いたんですよ。どんなときもテクテク歩いて仕事をしてきました。車がなくて困ったことはありませんでした」
学校の坂道を登りながら、いつも私の前後には中学生たちが共に歩いていた。
学校の坂道を下りながら、いつも私の前後には中学生たちが共に歩いていた。
話しながら登校し、そして下校した。
中学生と同じ歩幅で歩いた。中学生と同じ吐息をついた。中学生と同じ景色をふり返った。中学生の想いを、肌で感じることができた。

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