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賢者の演出

2015年7月 7日

「賢者の演出」というのは、実は劣等感から出ています。だから、自分が賢いということを常に表に出していないと生きていけない。黙って座っているのは苦手です。
会社の業績が悪くなったときも、その要因を人より賢く分析して見せようとする。表面的な論理だけを使ってね。その論理に沿って対策案をまとめます。業績の回復も、自分が主導権を握ってやりたがる訳です。ところが、業績悪化もその人の責任なのに、要因を外のせいにしてしまう・・・・。
経営者が「賢者の演出」をすると、従業員たちも装って、「自分は悪くない」という主張が伝染して、物事の本質からはるかに離れた言葉だけの非難合戦になってしまう。皆鎧を着てね、攻撃をかわして、相手を表面的な論理で責めることだけをやる。いわゆる、西欧的な詭弁の世界です。解決は絶望的・・・・。本来の議論というのは、皆鎧を脱いで、マインドをオープンにして、何が本当の問題なのかを、どうしたら解決するかを虚心坦懐に話し合うことなのです。

2003年のソニーショクの時には、経営者は思い切り「賢者の演出」をしていましたから、私は至近距離でそれを目撃しました。スケープゴートにされて辞めていった優秀な社員も一桁では収まらなかった。だから、ソニーはいまだに立ち直れない。経営者が「権者の演出」をするとすべてが駄目になるということは、その苦い経験から学びました。
(『教えないから人が育つ』天外司朗著から)

この文章は、会社の経営者に向けたリーダー育成を考えるための本からの引用です。僕にとっては、この本は学校の教員の組織や課題研究グループの生徒を指導するリーダーにも当てはまる話として読ませていただきました。
リーダーが絶えず命令し、監視しなければ怠けてしまう組織は最悪で、構成するメンバーが到達点を設定し、具体的にどのように進めていくを前向きに話し合えるような状況になれば組織はきっとうまくいくはずですよね。プロジェクトを成功するために最も大切なのは組織のメンバーが心から前向きな気持ちになっているかどうかだと思います。リーダーが賢者のふりをして支配している組織では、リーダーも組織を構成するメンバーも失敗に対して責任をなしりあうような関係しかうまれないと思います。

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