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生命科学基礎 「命の普遍性と再生」  佐藤伸先生(岡山大学)

2015年1月19日

【生徒の感想】
 今生きている動物の発生過程を比較することで、進化について考えることができる進化発生学は、今のことを見ながら過去のことを考えられるすばらしさを感じました。
 すべての生命は単一の祖先から生まれ、生命の価値に差は無いにもかかわらず、生物の「かたち」は進化によって違いが生まれたことが改めて不思議に感じました。今まで進化発生学の方法について聞いたことがなかったので、調査方法で「アウトグループ比較」という方法を聞いてなるほどと思いました。比較したい生物の「かたち」を比べるだけではなく、比較したい生物よりも先に分化している生物の「かたち」と比較することによって、いつ発生プログラムが追加されているかを知ることができるということが驚きでした。
 実際に円口類を見て、円口類の研究で何が分かるのかということに興味を持ちました。脊椎動物の共通の特徴として、あごや対ひれ・手足があったり、鼻は2つだったり、目は2つあったりなどたくさんの共通点があるのだなと感じました。脊椎動物の成立以前から存在していて、今なおその当時の姿をしているナメクジウオは、脊椎動物の共通点であるあごや感覚器官はなく、目は1つという脊椎動物とは違う姿をしていました。その後、脊椎動物が生まれ、顎がない無顎類に進化しましたが、顎がないため、他の生物に噛みつくことができず、生態系で弱者だったそうです。さらにその後、エラの骨が進化し、顎口類に進化し、顎があることで生態系の頂点になることができたそうです。
 また、脊椎動物の共通の特徴の1つである顎についてみてみると、顎がある脊椎動物は無数にいるのに対して顎がない脊椎動物は、ヌタウナギとヤツメウナギのたったの2つしかいないということに驚きでした。2つの動物は、原始的な脊椎動物の特徴である顎や対ひれがなく、鼻の穴が1つしかないそうです。そこで鼻の穴が1つしかないことに注目し、脊椎動物の鼻孔はどのようにしてなくなったのか?という疑問が生まれたそうです。仮説を立て、実験をし、結果をまとめて、そこからいつ、どのような発生プログラムがどのように追加や変更をおこなったかを調べるということが改めてすごいと感じました。結果、脊椎動物が成立する前に単一の鼻孔ができ、そこでヌタウナギやヤツメウナギの枝分かれをし、さらに進むと鼻孔のもとになる鼻プラコードが真ん中でくっつかなくなることで、鼻孔が2つになったのではないかとおっしゃっていました。今生きている生物の「かたち」を比較し、このように進化の過程を考えることができてくると、もし過去に戻ることができたら本当にそういう風に発生しているかを確認してみたいと思ったりするのではないかなと思いました。

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