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第11回 「脊椎動物の終脳の起源と進化」 村上安則(愛媛大学理学研究科)

2014年9月 2日

「脳は発生学的にどのように進化してきたか」をテーマに研究を続けている村上先生の講演でした。話題は、恐竜まで及び、学術的には鳥類は恐竜の進化形で「今の時代も恐竜が生きている」と言えのだという意見が印象的でした。

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【生徒の感想】
 夏休み中に、愛媛大学に行き、「生物環境試料バンク(es-BANK)」という研究施設があるということを知りました。愛媛大学での研究に興味があったので、今日のお 話を楽しみにしていました。 「脳」といえば、ヒトの脳を私はすぐに思いつきます。ですが、今日のお話の最初に、たくさんの動 物の脳の写真を見て、様々な形があり、同じ「脳」でも違うということをまず、知りました。さらに、脳のパーツの名前について知り ました。今までは、大きく「脳」という一括りとして「脳」と考えていましたが、今日のお話で小さなパーツが集まって「脳」という 1つの臓器を作っているということを知ることができてよかったです。また、動物の体の構造は違う点が多いのに対して、脳の構造は 同じということを聞いて、脳は、不思議な臓器だと感じました。
 次に、動物の種類ごとに脳のパーツの発達している部分が違うということを知りました。嗅球が大き いことで嗅覚に優れていたり、小脳が大きいことで体のバランスや動きを制御に優れていたり、中脳が大きいことで視覚が優れていた り、終脳が大きいことで視覚・味覚・触覚の情報を処理するために大きく進化したことが分かったり、と脳からわかることがあるとい うことを知りました。また、赤外線を感知するヘビについてのお話が驚きました。一部のヘビは、ピット器官というところで熱を感知 し、熱を視覚的に見ているということが不思議でした。「脳」は、情報を処理して考えるという大切な臓器だと思っていましたが、1つ1つの部分について詳しく調べると、脳がどのように大切なのか、ということを知ることができました。
 また、脳の研究で2つの方法について聞きました。方法の1つに、今生きている動物の発生時の脳の違いを調べ、脳をつくる遺伝子を調べたり、脳をつくる過程を 調べたりするという方法がありました。同じ点があったら、過去から今までに受け継いでいることがわかり、違う点があったら、進化 して変わったということが分かるとおっしゃっていました。例えば、1番原始的な生物と言われている円口類のヤツメウナギとマウスの脳について調べると、脳をつくる遺伝 子が発現する場所について、同じ点が多いが、終脳では2つの動物に違う点があることが分かっているそうです。わからないことを調べるためには、今あるもの で調べないといけないので、その方法は一般的なものではないかと思いました。さらにもう1つ方法があるとしたら、過去の脳から…と思っていたら、その通りでした。もう1つの方法は、化石から脳の形を推測して、調査するという方法でした。その調査から、今いる動物の祖 先である動物の脳の構造や末梢神経の形態は、今の動物と同じだそうです。さらに、私たちの祖先は、鼻の穴が前の方にあったので、 スペースがほかの動物よりもあったおかげで、脳が大きく進化したとおっしゃっていました。大昔から少しずつ進化してきた結果が、 今生きている私たちだと思うと不思議でした。また、恐竜のティラノサウルスも化石によって調べられているということにびっくりし ました。骨の空洞から脳の構造を3Dで表現することができるそうです。そこからの研究で、ティラノサウルスは嗅覚が優れていたというこ とが分かるのが本当に不思議な感じでした。
 今日の講義の時間は、脳の不思議から進化の不思議まで、今の私たちの存在に関わるお話を聞くこと ができてよかったです。脳については、まず、いろいろな形があることから驚きでした。私たち、ヒトの脳は、動物の脳の話の中で は、ほんのちょっとの話だったのだなと感じました。進化については、化石から脳について調べて、ある部分は変わっていないけど、 他のある部分は違っているとわかるということが不思議でした。そこから、進化の不思議さ、素晴らしさを感じました。今、私たちが 存在していることですら、不思議に感じます。脳の不思議さを感じることができ、よい時間を過ごすことができました。(Y.Yさん)

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