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日本生物教育学会第96回全国大会が開催

2014年1月10日

筑波大学で1月11日、12日に日本生物教育学会が開催されます。1月11日の高校生ポスター発表、1月12日の口頭発表で日頃の研究成果を発表させていただきます。

【高校生ポスター発表】 1月11日(土) 12:00-14:00
[発表者] 大橋慈子, 吉岡ゆきの(ノートルダム清心学園清心女子高等学校)
[演題] 二酸化炭素の吸収能力の推定
[要旨] 二酸化炭素の吸収に大きな役割を果たしている森林に目を向け、生態系における森林の役割を考えるために、いろいろな森林の二酸化炭素吸収量を推定し、どのような森林が二酸化炭素を効率的に吸収できるのかを解明することを目指した。 一定の大きさのプロットを設定し、その中に生育する樹木の直径・樹高・樹齢を測定した。そこから、樹木の重量・炭素含有量・二酸化炭素吸収量を計算して求めた。また、樹木の炭素含有量を求める過程で、乾燥時の樹木の炭素量は、その総重量の1/2と言われているが、それを検証するために(ⅰ)木片を炭にする実験と(ⅱ)木片を完全に燃焼させて排出される二酸化炭素量を量る実験も行った。森林の二酸化炭素吸収量を求めた結果、森林の多様性が高く遷移の進んだ森林ほど、効率よく二酸化炭素を吸収していることがわかった。その理由は、天然林は樹種の多様性が高く、樹高や樹齢のばらつきが大きいことで、遷移段階が進むほど炭素貯蔵量が多くなるからではないかと考えている。

【口頭発表】 1月12日(日) 9:00-9:45
[登壇者] 秋山繁治(ノートルダム清心学園清心女子高等学校)
[演題]  森林実習を組み込んだ学校設定科目「自然探究Ⅰ」の実践
[要旨] 2013年度版『子ども・若者白書』で「近年、子どもの体験活動の場や機会の減少が指摘されている。例えば自然体験活動についてみると、学校以外の公的機関や民間団体が行う自然体験活動への小学生の参加率は、どの学年でもおおむね低下しており、小中学生の中で自然体験をほとんどしたことがない者が1998年と比較して2009年は全般的に増加している。」とある。『理科離れしているのは誰か』(松村泰子編)では、女子は自然体験そのものが少なく、理科実験でも男子が中心的役割をすることが多く、女子に積極性が低下していく傾向が強いことも報告されている。
 女子の理科嫌いの原因が自然体験の不足と直接実験に参加する機会の少なさであるとしたら、女子の理科好きを増やすためには、より多くの自然体験と実験・実習を盛り込んだ教育プログラムが必要になる。これを踏まえて、本校では自然体験を取り入れた授業「自然探究Ⅰ」、「自然探究Ⅱ」、「自然探究A」を学校設定科目にし、体験を通した学習に取り組んでいる。「自然探究Ⅰ」では、二酸化炭素の吸収に大きな役割を果たしている森林に目を向け、生態系における森林の役割を考えてもらう教育プログラム(森林についての講義と実習)を実施している。
 実習では、鳥取大学教育研究林「蒜山の森」内の人工林と遷移段階の異なる天然林を対象に森林調査を8年間継続してきた。10 m×10 mのプロットを選定し、プロット内の樹木の樹種を識別し、直径・樹高・樹齢を測定し、そのデータから、重量・炭素含有量を計算し、最終的に1年間の二酸化炭素吸収量を推定した。調査の結果、森林の多様性が高く、遷移の進んだ森林ほど、効率よく二酸化炭素を吸収していることがわかった。
 「自然探究Ⅰ」の授業は、体感的には山に入る抵抗感を減らすことができ、知的には森林が1年間で処理できる二酸化炭素を推定することによって、自然度の高い森林生態系を守っていくことの大切さを再認識させることができたと考えている

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