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JSEC2014最終審査が近づいてきた

2013年12月 3日

12月7日(土)、12月8日(日)に高校生科学技術チャレンジJSEC2013の最終審査が日本科学未来館で開催されます。3年連続出場になりますが、今年の研究テーマは「アカハライモリのクローン作成」です。開催日が本校の期末テストの中日なので、11月に追加の実験はしたものので、ポスター作製に十分な時間がないので、今もバタバタしています(期末テストは5日から)。クローン技術について、調べてみました。京都大学の山中教授のIPS細胞作成の成功は、クローン技術の延長線上にあることがわかっていただけると思います。イギリスのガードン教授が一緒にノーベル賞を受けたこともうなずけますよ。

2009『現代生物科学入門7・再生医療生物学』(岩波書店)から抜粋
 1950年代にプリッグス(RBriggs)とキング(T.J.King)はカエル(Ranapipiens)の卵子を用いて,顕微鏡下の核移植実験に成功した.カエルの受精卵は,桑実胚,胞胚,原腸胚,神経胚,尾芽胚と発生が進みオタマジヤクシとなる.彼らは胞胚期の細胞から採取した核を別の卵子に移植し,同卵子がオタマジヤクシまで発生したことを報告した.しかし,神経胚期の細胞に由来する核を移植した場合は,オタマジヤクシへの発生は観察できなかった.
 一方,60年代になるとガードン(J.B.Gurdon)らが異なる種のカエル(Xenopuslaevis)を用いて同様の核移植実験を行い,オタマジャクシの腸粘膜細胞の核を移植することにより,成熟カエルまで発生させることに成功した.これは分化した細胞であっても正常発生に必要なすべての遺伝子を保持していることを意味する.しかし成熟カエルの体細胞の核移植によっては,オタマジャクシにまで発生するものの成熟カエルは得られなかったことから,完全に分化した細胞においては,一部の遺伝子機能が失われている可能性も示唆された.
 哺乳類においては1997年にウイルマット(I.Wilmut)らが羊の体細胞クローンであるドリーの作成を報告した.その後,体細胞クローンの成功は,牛,マウス,ブタ,猫,イヌなどでも報告されている.しかし体細胞核移植による個体作出の成功率は極めて低いことから,成体の各組織に存在する組織幹細胞がクローン動物の由来である可能性を否定し得なかった.
 ところがイェーニッシュ(RJaenisch)らのグループは2002年に,完全に分化した細胞であるリンパ球からもクローンマウスを作ることに成功した.抗体遺伝子やTリンパ球受容体がリンパ球の分化に伴い遺伝子組み換えを起こす現象を利用し,彼らはクローンマウスの由来がBリンパ球やTリンパ球であることを証明した.これらの一連の研究により,分化した体細胞であっても正常発生に必要な遺伝子がすべて保存されていること,および,卵子細胞質には,体細胞核を再プログラム化する因子(群)の存在していることが示された。
 ヒトにおけるクローン個体作出に関しては,日本を含む多くの国が法律で禁止している.一方,クローン胚から,個体ではなくES細胞を樹立することが期待されている.この方法で患者と同じ遺伝子を持ったES細胞を作れば拒絶反応を克服できる可能性がある.2005年に韓国のグループが脊髄損傷や若年性糖尿病の患者から高い成功率でクローンES細胞の樹立に成功したと報告したが、その後、同データはすべて捏造であり、実際には多数の核移植を行いながら、ES細胞の樹立には成功しなかったことが明らかになった.

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